今日の迷言・余言・禁言

「実人生」としての「波乱万丈」は嫌だ⁉

歌手としても俳優としても一時代を築いた萩原健一氏が26日に亡くなっていたことが公表された。各メディアがいっせいに取り上げ、その波乱に満ちた人生を振返っている。「占い」でもそうなのだが、波乱万丈な人生を歩んだ人の方が興味深くて取り上げやすい。だから、第三者的に見る分には「最高にエンターテインメント」な生き方と言える。歌手としても、俳優としても、一時的には頂点を極めた。実質4度の結婚も、4度の逮捕も、そうそう経験できるものではない。そして、最期は“10万人に1人の難病”だった。小説やドラマにするなら、これだけの材料は中々そろわない。けれども、もし、これを自分の人生として与えられたなら、とても素直に受け入れられそうもない。特に逮捕は嫌だ。私が萩原健一氏を知ったのはザ・テンプターズの「エメラルドの伝説」を聴いた時からだった。素晴らしい楽曲で、特に、幻想的な詞の内容とボーカルだった彼の“掠れ気味の声”とが絶妙にマッチしていた。なんて素晴らしい歌なのだろうと思った。現代は、こういう“非日常の美しいイメージ”を掻き立てる歌というのが無くなってしまった。それから、しばらくたって、ショーケン(萩原健一氏)はTVドラマ「太陽にほえろ」の新米刑事役として再ブレークする。俳優としても光るものを持っていた。ところが、80年代に入って徐々に“ダーティー”なイメージが目立つようになる。83年には大麻で逮捕され、いしだあゆみ氏とも離婚し、その顔貌や雰囲気も徐々に変化していった。人間にはいろいろなタイプがあって、その人生の中で外貌や雰囲気まで大きく変わってしまう人と、あまり変わることなく一生を過ごしていく人とがいる。どちらが“良い”とか“悪い”とかは一概に言えない。変わらない人はどちらかと言えば“平坦な人生”を歩む場合が多く、特別大きな災難にも遭わない代わりに、特別派手な人生上のどんでん返しもない。ドラマの主人公として捉えれば“つまらない人生”かもしれない。その一方、次々と変化や出逢いが起こって、正に波乱万丈でドラマとして捉えれば最高でも、実際に生きていく立場からすれば“平穏な日々が懐かしい”と嘆くような人もいる。古代中国では、どちらかと言えば“平穏に暮らせる人生”を最良のものとしていた。日本で「四柱推命」と呼ばれる占いは中国で「子平」とも呼ぶのだが、それは「平らな人生」をどう“選択していくか”を教える占術だった。元々は、そういう運命観に基づいている。だから「子平」で選択される人生は穏やかかもしれないが、冒険的な人生観を持った人には「つまらない人生」の教えなのだ。


最近の記事はこちら

日本人3割が、今も喫煙している事実

そういえば今もタバコは売られている。だから無くなったわけではなかった。けれども一般的な感覚として、何となく今の日本にはもうタバコを吸う人達はいなくなったかのような印象を受けていた。街でタバコを吸う人を…続きを読む

39歳すべて失い、71歳“5大会五輪出場”の人生

本当の人生はもろもろ全てを失ってから始まる。時折、そう感じさせるような人物がいる。大井利江氏などは、その典型と言える。71歳で五度目のパラリンピック出場の切符を手にしたのだ。しかも、この人、49歳まで…続きを読む

何百万人より一人に「愛される人生」の選択

かつてAKB48でアイドルだった川栄李奈氏が第一子を出産したことを報告した。同じ日、先月“第一子の妊娠”を公表していた元AKB48の主要メンバーだった篠田麻里子氏が公式の場に出席した。さらに同じような…続きを読む

「35歳」を境に“運命”が大きく変わる職業

アンケートとか調査データには、時々首をひねるようなものがある。このほど公表された「未婚率と職業との関係性」を示すデータはさまざまな点で興味深いのだが、私がもっとも注目したのは、35歳を境として「結婚し…続きを読む

惑星同士の“0度”“180度”が表わす「謎の縁」

俳優の高倉健氏が亡くなって、もう5年の歳月がたった。その5年目の出版を意識したのかどうかは知らないが、高倉健氏の“養女”であった小田貴月氏が書き記した『高倉健、その愛。』が好調な滑り出しを示していると…続きを読む

Copyright© 2015 NAMIKISEIRYU All Rights Reserved.