素顔のひとり言

「恋愛禁止」という謎の掟

アイドルグループ・AKB48の峰岸みなみさんが、グループ発足当時からのルールとされてきた「恋愛禁止」を破って男性宅に泊まり、それを週刊誌にフォーカスされたとして、謝罪の意味を込め自ら丸刈りとなり、ユーチューブで謝罪映像を流したことが話題となっている。

AKB48の存在については誰でも知っているが「峰岸みなみ」という女性については、必ずしも誰もが知っている…というほど目立つ存在ではなかった。「48」というくらいだから少なくとも48名はいる筈だが、実際のところテレビなどで頻繁に見掛けるのはその内6~7名くらいで、それ以外の方は顔は知っていても名前を知らないとか、名前は聞いたことがあるが顔はよく分からないとか…その程度の認識を持っているのが普通の人達ではないだろうか。峯岸みなみさんに関しては私個人でいえば、今回のことで改めて顔と名前を一致して記憶することが出来た程度の存在であった。

今回の騒動には、理解しにくい問題がいくつも潜んでいる。まず第一は「恋愛禁止」というのが発足当初からのルールということになっているが、果たして本当にそれを守り通してきた人が何人いるのか…という疑問である。AKBの発足当初はメンバーのほとんどが十代半ばで学校とレッスンと仕事に明け暮れていたと思うので、事実上それらのルールを守ることはそんなに苦痛ではなかったはずだ。極端なことを言えば恋愛をしている余裕などなかったと思われる。けれども徐々に年齢を重ね、学校からも解放され、仕事にも余裕が生まれてきたここ数年は、そして最近続いた何人かのメンバーの恋愛発覚以前は、そんなに「恋愛禁止」が前面に出ることもなく、ごく自然の成り行きから恋愛が行われてしまうケースは少なくなかったよう思われる。十代後半から二十代前半の女性たちにとって、むしろそうであることの方が自然なことのように私には思われる。もっとも「恋愛禁止」事項が、初期のオタクファンにとって極めて重要な支持要素であった可能性は否定できず、そういう意味では“恋愛はファンへの裏切り”であり、真摯な気持ちで約束を守り通していたメンバーもいたには違いない。

そういう意味では、ファンを裏切る行為であるだけでなく、AKB仲間を裏切る行為という点から非難されるべき…と見ることもできる。但し、先にも述べたように年齢的にも“恋愛を享受するにふさわしい年齢”である彼女らに、そして元々が予測不能で心の問題でもある恋愛に対して、規制するということ自体が果たして妥当なのか―という問題もある。

さらにメンバーの恋愛がここにきて次々発覚となっているが、それらはマスコミに公表されたからであり、そうだとすれば当然そのマスコミにリークした人物がいる…ということにもなる。AKBメンバーの事務所が別々であることを考えると、関係者からの情報漏えいもあり得ないことではない。もはや発足当初のような「アキバのアイドル」ではなく「日本のアイドル」になっていることは誰もが認めるところなのだから、そして年齢的にも規制不可能な「恋愛禁止」は取り払ってしまった方が現状に適合しているように思える。

ついでに「総選挙」と呼ばれている奇妙な人気投票も止めてしまった方が良い。これも「アキバのアイドル」であった発足当初はなかなかユニークで楽しめる企画であったと思うが、今や“楽しめない企画”になっていることは関係者なら誰もが感じていることだろう。メンバーの芸能事務所がそれぞれ異なり、種々な思惑も絡んで不平等極まりない投票となっていることは誰もが暗黙で理解している。そういう投票制度が純粋な十代のAKBファンに良い影響を与えるはずがない。

一時期、ファンサービスの全く感じられない歌手達が時代を席巻し、女性アーティストでも普段着のようなジーンズ姿で舞台に立つケースが目立った。私は内心嘆かわしく思っていただけに、AKB48が少女らしい衣裳、アニメチックな可愛らしい衣裳で出現し、華やかに踊りながら歌うことを良いことだと思った。機械仕掛けの人形のようなぎこちなさや歌唱力の乏しさはあっても、アイドルというのは“人形的な美”も多少は必要なのだと思っていた。少なくとも韓流アイドルの“無機質な美”よりは良い。握手会等でファンサービスに積極的なことにも好感を持った。もちろんプロデューサー秋元氏による仕掛けられたファンサービスではあるが…。

ただ最近はAKBに派生したグループが沢山出現しすぎて、どれがどれだかわからなくなってしまい、似たようなメンバーと持ち歌で“学芸会的な要素”が強くなりすぎている。普段着のそっけなさすぎるアイドルというのも困るが、歌唱力そのものが未熟すぎる歌手というのもいささか問題がある。それに、何故“個人で歌う歌手”は出現しないのだろう。勉強不足かもしれないが、私自身はきゃりーぱみゅぱむ(?)以外の単身若手歌手を知らない。ああいう今の時代に沿ったアイドル歌手がもっと出てきて良いのに…と思う。

話しが逸れてしまったが、AKBとして大量のアイドルを抱え込むのは良いが、大人社会の責任として“その後の人生”というものも想定したうえで、デビューさせていくことも大切なことであると思う。十代半ばからアイドルになるということは、通常の学校生活や社会経験を素通りしてしまう可能性が高いわけで、いったんレールを外れてしまったなら、崩れ落ちてしまう危険性をはらんでいることになる。実際、モーニング娘。の何人かはそういう形で世間からバッシングを受けた。芸能界社会が生み出したアイドルでありながら、いったん何か問題を起ると投げ出してしまうような風潮が事務所関係者にも世間の方にもあるような気がする。そういう意味でも、あまりに早い年齢でデビューさせるのは問題があるように私には思われる。

テレビや週刊誌にしても、或るタレントの場合には大きく報道し、或るタレントの場合には見過ごしてやる…不平等ともいえる報道姿勢が時々感じられる。これらもまた大いに問題がある。人ひとりの人生が掛かる報道は世間の好奇心だけに従ってよいのか、今一度考える時期に来ているような気がする。


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