素顔のひとり言

「日本」と「JAPAN」の微妙なバランス

街を歩くと、さまざまな場所でアジア系の外国人旅行者を目撃する。以前は団体客が多かったが、最近は個人でやって来る若者も多い。日本への留学生も近年は急増しているらしく、日本語以外の会話が聞こえてくることも珍しくない。昔の日本は、言語の壁が課題と言われたが、MANGA世代の若者たちは吸収が早く、短期間の内に日本語を話せるようになる。こうして日本には徐々に“日本語を話せる”外国人達が膨張し始めている。いや、言葉だけではなく、日本の文化、歴史、漢字、地理、ことわざに至るまで、あらゆることに対して精通している外国人が増えつつある。

それに対して、純粋な日本人なのに、若い世代に蔓延しつつある “日本語を知らない日本人達”は増えていく一方だ。彼らの日本語は、極端に語彙が少なく、日常会話以外はほとんど通じない。漢字が書けないのは私自身もそうだから仕方がないが、社会常識的な知識と理解力が極端に薄れてきている。本来の日本人が備えていたはずの細やかな情緒とか情感とか風情とか“阿吽の呼吸”とかも急速に失われつつあるような気がする。

かつて日本人は“明確な意思表示をしない”ということが国際人として問題視されたが、今や誰もそれを問う人はいない。“阿吽の呼吸”では何事も通用しない日本に変わったからだ。“向こう三軒両隣”等という近所付き合いも過去の話で、都会では隣にどんな人が暮らしているかさえ定かではない。或る意味で日本の暮らしは欧米風に変わったのかもしれない。いや、今やヨーロッパよりも日本の方が“西洋的”な暮らし方なのかもしれない。アジアに旅行するたび、今の日本にはない“土着的な暮らし方”を感じることがあるが、日本は四季がハッキリしているせいもあって、嫌でも秩序正しい暮らし方になる。朝→昼→夜の明らかな違い、夏→秋→冬→春の気温や季節的風景の違いは、われわれに嫌でも“その循環の中”で秩序正しく暮らしていくことを促してくれる。年中暑くて四季がハッキリしないアジアの国々や、昼でも夜でも年中冷房が必要な地域とは明らかに違った生活となる。そういう意味では日本人の“秩序正しさ”が失われることは当分なさそうだ。

日本というのは島国なので、海外から入って来るのも、海外に向かっていくのも、或る種の“覚悟”が必要で、車でそのまま国境を通り過ぎていくユーロ圏などとは根本的に異なる。そういう日本に海外からの留学生が増えてきたことは注目に値する。しかも、その半数は中国からの留学生たちだ。言葉の壁が無いなら、多分もっと増えていくのに違いない。今や経済大国となった中国は、日本の知識や技術やを徐々に飲み込み、各企業をM&Aで吸収し、漠然とではあっても将来的に“植民地化”したい願望を抱いているのかもしれない。“共存共栄” は良いが、植民地化は困る。

われわれより上の世代―戦争を経験している世代―は、中国や韓国などのアジア諸国を“占領時と同様な眼”で未だに捉えている節がある。したがって欧米人と、アジア人とを同列には置かない。種々な体験がそれを許さないのだ。或る種、欧米に対してコンプレックスを抱いている人達も多い。私には「ユニクロ」や「楽天」が“社内の公用語を英語に変える”というのは、そういうコンプレックスの裏返しではないか…という気がしてならない。「日産」のようなグローバル企業なら、英語を公用語とするのも止もう得ない。けれどもユニクロも楽天もそういう企業ではない。いや、そういう企業を目指してのことなのかもしれないが、日本人従業員が圧倒的に多いのに、日本語を使えない日本企業ってどうなんだろう…と思ってしまう。私は正直そういう企業が世界に進出して成功していけるとは思わない。今は“成功しかけたように見える”かもしれないが、必ずしっぺ返しを食らうときが出てくるはずだ。日本人なら日本語を使って“世界で勝負”すれば良い。むしろ、外国人であっても、日本語も片言は話せるように学ばせれば良い。それでこそ“世界に進出した基本企業”ではないか。日本人に負荷を掛けてどうするのか。それで従業員は喜ぶのだろうか。何故、外国人優先に仕事のことを考えなければならないのか。大和魂のない企業が、将来の日本で本当に輝けるとは私には思えない。


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