今日の迷言・余言・禁言

「普通の人」だから成功できた林真理子氏⁉

私はときどきTVとか雑誌を見ていて「この人の普通さが良かったんだな」と思う人がいる。その一人に作家の林真理子氏がいる。人間というものは、例えば「とびぬけた容姿」とか「とびぬけた商才」とか「とびぬけた話術」とか「とびぬけた運動神経」とか、そういう先天的ともいうべき優れた素質の持ち主に対して、羨ましく思う反面、自分とは“違う”という捉え方をする。心から称賛をすることはあるが、協力をしてあげよう、手助けしてあげよう、という気持ちにはあまりならない。何故なら黙っていても才能を発揮したり、人気を得たり、成功していくだろうことが窺われるからだ。それに、何よりも自分の力など“必要としている”ようには思えないからだ。それに比べて、誰が見ても「普通に見えるような人」には、ひょっとしたら、自分でもあのくらいのところには努力すれば到達できるかもしれない、という“似た者感”を与える。この“似た者感”には“安心感”が伴っている。特別な尊敬も抱かないが、特別なライバル視も抱かない。困った時には、何となく手を貸してあげたくなるような“同じ目線”で接することが出来る。実際にはそうではなかったとしてもだ。昨日、林真理子氏は日本文芸家協会の新理事長に決まった。早い話がトップに立ったのだ。素晴らしい。けれども、こういう“普通のおばさんタイプ”の女性は、同じ女性達から反感を買わない。もしも、これが「世にも美貌な女性」であれば、必ず同性である女性達から反感を買う。このようなことを書くと、そういうことに敏感な「団体」などから抗議が来そうだが、事実は事実である。この事実がもっとも解りやすいのは、ニューハーフへの評価である。女性は“面白くて少しだけ美人”程度のニューハーフに対して寛容で称賛をするが、明らかに“超美人”ともいうべきニューハーフに対しては、必ず厳しい採点をする。そういう意味でいうと、林真理子氏は女性から反感を買わないどころか応援してもらえる貴重な存在なのだ。しかも、彼女の場合、もう一つ恵まれているのは、その作品にしても、特別文学的とは言えず、特別才能があふれているとも言い難いことである。別に彼女の作品をけなしているのではない。いわゆる「天才型の作品」や「文学的な傑作」や「特別に優れた文学表現」は見当たらない。それでも、2018年には紫綬褒章を受けているのだ。なんという快挙。元々はアルバイトをしながらコピーライターの養成講座に通っていた20代女性である。そういう部分も「普通」で、独自の能力を秘めていたとか、天才的素質の持ち主だったとかいうのではない。何しろ『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がデビュー作なのだ。自分では恋人が得られなくて、36歳で普通の会社員と“お見合い結婚”しているのだ。だから「普通の人」は将来ひょっとすると文壇のトップに立ったり、勲章を貰ったりできるのだ。


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