今日の迷言・余言・禁言

“いのち”を注がれた音楽

時代が進んでも人々が求める「心の安らぎとしての音楽」は共通している。そのことを痛感させるニュースが二つあった。その一つはイギリスからのもので、今や“レコード売り上げ”の方が、デジタルの“ダウンロード売り上げ”よりも上回っているのだそうだ。一時期、姿を消したかに見えた“レコード”だが、十年ほど前から再び世界的に需要が増えていて日本でも“懐かしいレコード”を買い求める人たちが多くなっている。マニアックな人たちによると、レコードがもっとも音質が良いらしい。そのせいなのかCDの売り上げの方は年々下降している。そういう中で、今年のアメリカのCD売り上げでは何んとクラッシックの『モーツアルト225』というボックスセットが合計125万枚でトップとなった。現代のアーティストは、誰一人敵わなかったのだ。このアメリカとイギリスの“二つのニュース”は、われわれが本当に求めている「音楽」とは何なのかを世界に問いかけている。少なくとも、心の安らぎとして求められる音楽は、心地よい音源を持った“古典的な楽曲”であるということだ。決してスピーディーな音楽でも、IT的な楽器でもない。あっという間に“生れて去っていく”音楽ではなく、“重厚な命”を注ぎ込まれた音楽が奏でる、どこか懐かしい音色を持った“癒される曲”なのだ。しかも、それは“世界中の人々が”求めている。或る意味で音楽の世界には“古典回帰”ともいうべき波が押し寄せてきているのかもしれない。私は十代半ばの一時期“ひきこもり”となったが、その時に毎日聴いていたのは“クラッシックの名曲”と“映画音楽”だった。今でも、あの時に好きになったラフマニノフ“ピアノ協奏曲”や“いそしぎ”が大好きだが、日頃あまり音楽など聴かない人であっても、心の隙間に心地よく流れ込んでくる曲というのはある。創られた音楽ではなく、いのちを注がれた音楽だ。


最近の記事はこちら

“車離れ”は「本当の先進国」になった証拠

“若者の車離れ”に歯止めが掛からない。それを何んとか防ごうと、19日、トヨタは新しく「GR」シリーズを発売すると発表した。スポーツカーブランドを一新することで、低迷が続く国内の自動車販売をテコ入れした…続きを読む

「生前継承」された7代目の“宗教”

先日、テレビで今も継承され続ける「カクレキリシタン」に関するドキュメンタリーが放映されていた。その中で印象的だったのは、現在の指導者が口にした“普通のキリスト教やカトリックとは違う”という発言だった。…続きを読む

甲冑姿の「サムライ」が刀を向ける

近年の歴史・時代物ブームで“古戦場跡”観光というものが盛り上がっている。それ自体は良いことなのだが、その“古戦場跡”の一つ「関ケ原」で全身甲冑姿の「サムライ」が、山頂に続く階段を登りきったところで待ち…続きを読む

「時代について行く」選択は正しいのか

毎日、そこかしこに情報があふれている。無意識にわれわれは、その情報の多くを吸収しながら生きている。それが「時代について行く」という“生き方”である。けれども、本当に、それが“幸福な生き方”なのかどうか…続きを読む

「ノーベル賞の卵」が“非正規雇用”で働く

山中伸弥氏と言えば、謂わずと知れた“ノーベール賞科学者”である。現在は京都大学の細胞研究所所長を務めている。そのHP上に「ご支援のお願い」が掲載された。彼によると、研究所で働く教職員の9割が“非正規雇…続きを読む

Copyright© 2015 NAMIKISEIRYU All Rights Reserved.