素顔のひとり言

エンターテイメントとしての秀作「007」最新作を観た

私は昔から映画「007」シリーズが好きだった。本来は、あまりドンパチの激しい映画は好まないが「007」には、それ以外のエンターテイメント性がいろいろとあって楽しませてくれる。音楽や最初の場面背景が、初期からずっと“変わっていない”のも良い。タイトルバックに流れる感性を刺激する画面構成も良い。それにしても、この映画50年以上続いているのだからすごい。もっとも主役「ジェームズ・ボンド」俳優はいろいろと変わった。現在のボンド役が何代目なのかも、その俳優名が誰なのかも私は知らないが、なかなかに良い。これまでの俳優の中で最も「諜報員」を感じさせる雰囲気や容貌を持っている。やはりエンターテイメントとはいっても、その“職業”を感じさせない容貌や雰囲気の俳優は、その映画内容に入り込みにくい。私は大昔「座頭市」シリーズや「眠狂四郎」シリーズ、「男はつらいよ」シリーズも好きだったが、そのどれもが“強烈な個性を持った俳優”で、その俳優自体が“その職業”を感じさせる雰囲気を持っていた。しかも、彼らはどこか共通したものを感じさせる。

昔、「007」といえば「ボンド・ガール」と呼ばれる“セクシー美女たち”が必ず出てくることも話題で、日本の女優も何人か出ていた時期がある。ところが、今回の作品など共演女優以外は“それらしき美女”がほとんど出ていない。こういう作品も珍しい。しかし、そのせいでかえって無理のないストーリーとリアルな印象が強まっているともいえる。大体、今のボンド役はストイックな雰囲気で、これまでのボンド俳優のような“女好き”のイメージがわかない。もっとも考えてみれば「諜報員=女好き」という図式自体がおかしい。これは多分、エンターテイメントとして“華やかさ”や“お色気”が必要だったから加えられた手法だったのだろう。和風の違いはあるが「眠狂四郎」にも「男はつらいよ」にも、それはある。ところが残念なことに、このボンド役俳優は“今回限り”らしい。実は、この俳優がロシアの大統領プーチンに似ていることが、今回を最後とする理由なのではないか、と私は勝手に思っている。

今回、映画を見ながらいろいろ考えさせられる部分があった。例えば、最初の5分で“観る者たちを巻き込んでいく”ストーリー展開の速さ、これが日本映画には乏しい。エンターテイメント作品はそれが重要なのだ。日本の作品は、どうしても説明しすぎる。だから“作品の中に入っていけない”のだ。なぜ、あんなに説明するのだろう。TVドラマなどはその典型で“説明しすぎる”から、すぐに結末が予測できてしまう。或いはせっかく気持ちが入りかけてもCMに入ったような“覚めた感覚”に引き戻されてしまう。最近、ドキュメント作品、それも台本のない一般素人の方たちに密着するTV の視聴率が良いというのは、それを如実に表わしているような気がする。人は“予測できないもの”、“未知なもの”、“不可知なもの”に対して興味を抱く。あらかじめ「結果」が読めるものに対しては興味などわかないのだ。最近、“コンテンツ占い”が低迷しているのも、最初に“答えありき”で作成しているからだ。そんなの“占い”ではない。だから私は、本を書くときには「吉・凶」をきちんと入れる。あいまいにはしない。それに「結果」だけを書く。実占の時もそうだが、いちいち占いの説明をしたりはしない。「これがこうだから、こういう答えとなります」風な解説は絶対にしない。すべきではない、と思っている。占い師で、実際の鑑定の時にいちいち説明する占い師は“信用できない”のだ。なぜなら、それは仮に占いが外れても、自分のせいではなく占いのせいだ、と言えるからである。だが、それっておかしくないか。自分で自信が持てないのなら、判断に取り入れなければ良い。判断に取り入れる以上、それは“自分の占い”による結果として下した答えであり、プロとしての回答なはずだからである。アマチュアではないのだ。


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