素顔のひとり言

世界で失業率が急増している

私がこのコーナーでアメリカの株価急落を憂いていたのは2007年の秋であった。あれから、私の予言は不幸にも次々と的中して、日本の株価も追従し、原油高とか物価高へとつながり、世界的なインフレに向かうかと思ったら一転、原油価格が急落し、それと同時に世界的デフレと円高へじりじり舵を切り始めて日本の輸出産業に打撃を与えている。そして、とうとう実体経済・社会情勢に種々な形で問題を提起し始めた。そのもっとも典型的な現象が「派遣切り」等に見られる失業率の増加だ。

景気が悪くなるのだから、失業率が増加するのは当然であるが、日本の場合まだ4%程度で、実はまだ欧米に比べて失業率はそんなに急上昇していない。もちろん、こういう統計率と云うのは多少ずれる(遅れる)ので、今後増えていくことは確実であるが、それでもアメリカの7.2%や、ユーロ圏の7.8%等と比べると、まだまだ低い数字と云える。個別で一番深刻なのはスペインやイタリアで、スペインの失業率は何と13%に達している。それでも暴動にまで至らないのは、雇用保険など失業・福祉対策が充実しているからだが、失業率の急増と共に、その制度自体が大きく揺らぎ始めているらしい。

このように株価の変動・急落と云うのは、その時すぐにではなくても、徐々に実体経済、社会現象となって具体化してくるから恐ろしい。しかも、その株価は一向に元に戻る気配を見せない。今回の株価下落が深刻なのは、世界の主要地域の株価がことごとく下落していることだ。ロシアなど、ピーク時から70%も下落しているが、全く回復の兆しがない。インドや中国、ブラジルも落ち込みが激しいが、我が日本は40%くらいの下落でちょうど世界の中間くらいに位置する。奇妙なことに株価下落の発信源となったアメリカは確か35%くらいで日本よりも下位に居る。何故か発信源であるのに世界的に見ると下落率は高くないのだ。もっとも、世界の主要な株価指数と云うのはアメリカの株価に影響を受けるように出来ているので、より変動しやすい新興国の方がデフォルメされてしまうのは仕方がない。そういう点からも先進国である日本の40%は深刻なのだ。しかも日本の場合、円高が進むとどうしても株価下落するように出来ている。アメリカがオバマ効果で株価下落に回復の兆しが見えても、円高が進めば日本の株価指数は歩調を合わせられないのだ。

もちろん円高がプラスに働く業種もあるにはあるが、輸出産業の比率から云っても日本経済は円安の方が潤うように出来ているのだ。円安を誘導する一番の手立ては、アメリカ経済に活気が戻って来ることだ。特に住宅と車だ。これらに回復の兆しが見え始めれば、間違いなくドルが強くなり、円安となる。黙っていても日本の株価指数は上向く。そして株価指数が上向くことで、国内の消費が促され雇用も促進されることになるのだ。そういう点から云うなら、日本の経済は麻生政権と云うよりもオバマ政権に掛かっているのだ。

日本経済の先行きを知りたかったら、オバマ政策が住宅と車に回復の兆し(あくまで兆しで良い)を与え始めるかどうか、それだけを注目していればよい。

もし、今年6月迄に与え始めることができなければ、日本ばかりでなく、世界の経済そのものがすぐには回復困難となる。ヨーロッパを始めとして世界各国の失業率が増加し、歯止めがかからないような事態を招く。派遣切りで住宅を失う人ばかりでなく、正社員切りで職と住宅を一気に失うような人もたくさん出てくる可能性があるのだ。2003年から2006年にかけて、日本の株価は大きく回復したかに見えた。そしてそれを実証するかのように日本経済も回復の兆しを見せた。ところが株価の回復も、経済の回復も喜ばない人たちがいた。素直に喜べない人たちがいた。自らの国が繁栄することを喜べない人たちが増えた時、神仏は制裁を加えたのだ。

そんなに「お金なんていらない。心が欲しい」と云うなら、お金をなくしてあげる……さあ、心を取り戻しなさい、と。

こうして、神仏は、多くの人々が求めていたものを与えたのだ。今、我々は試されているのだ。お金をなくして心を取り戻すチャンスを与えられたのだ。人は人として助け合わなければならない。職を失い、住宅を失った人を、助け合わなければならない。助け合うことによってのみ、人は心を取り戻すことが出来る。私はフィリピンへ行ったとき、貧しい人達が生き生きと笑い合って生きているのを肌で感じた。みんな貧しかったが、仲が良く、それぞれが助け合っていた。そして明るかった。私は1人の独身女性の住まいに連れて行かれた。彼女は、私に「恥ずかしいけど、あなたには私のすべてを知ってほしいから…」と云って自分の住まいに案内してくれたのだった。それは正に路地裏と云うにふさわしく、周りの建物の影響で、その住宅だけ昼間でも日が差さないように出来ていた。

日本で云えば4畳半位の部屋の中は窓がなく真っ暗だった。30ワットくらいの蛍光灯は付いているが、それを点けても薄暗かった。堅い木のベッドが置かれ、そこに座る以外、座る場所もなかった。冷蔵庫はあったが、電源が入っていなかったし、中は空だった。キティちゃんの大きな縫いぐるみだけが、違和感を伴ってその部屋の方隅にあった。他には何もなかった。本当に何もなかった。「何か出したいけど、何にもないの…」そのはにかんだような物言いに、私は思わず彼女を抱きしめていた。恥ずかしさを忍んで、自分をここに連れて来てくれたことに対しての感謝と、何とかしてあげたい、あげなけらば…と云う妙な責任感、同情心、義侠心のようなものが一緒になって、抱きしめずにはいられなかったのだ。

もし、あのときフィリピンの女性が日本にそのまま出入国出来るなら、私は彼女を日本に連れて帰ったかも知れない。彼女だけでなく、私が知ったフィリピンの女性たちは皆貧しかった。けれども皆明るかった。私よりもはるかに明るかった。そして親切だった。ごく自然に助け合うと云うことを知っていた。当然のように助け合って生きていた。私を案内してくれた日本人男性の話によると、この国は敬虔なカトリック信者が多いので、相互ほう助の精神が深く根付いているのだと云う。近年、日本にはフィリピンやタイから介護士が多数やってきていると云うが、信仰心が根底にある国から来てくれている人たちは日本人以上に、親切に介護してくれるのではないだろうか。

世界不況によって心を取り戻す環境を与えられた日本は、やがて国内だけでなく、世界各地で仕事を行って、心も一緒にその国へと授けて来ることが出来るように変わっていく若者を誕生させるに違いない。


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