素顔のひとり言

人は“さまよいながら”生きていく

人間社会は「勘違い」で成り立っている。例えば、私は“書きもの”などでは何でも明確に“ズバズバ書く”ので、現実にもさぞかし「即断即決の人」「迷いのない人」「怖い人」であるかのよう誤解されがちだ。とんでもない。普段の私は極めて凡庸だし、即断型ではないし、迷いの塊だし、どちらかと言えば「のほほん」としていて、勘が鈍く働き者でもない。性格は一言でいえば“子供の時のまま”で進歩がなく、昔の私をどこかで知っている人がいたなら「変わらない」というに違いない。私のことなどどうでも良い。云いたいのは、人は誰でも“さまよいながら”生きていくものだということ。どんな人でも「迷いのない人生」などあり得ないし「悩みのない人生」もあり得ない。人は“さまよう”ように出来ているのだ。誰だって理想とする人生がある。けれども、現実に“理想通りの人生”を歩める人など、1万人に1人いるかどうか…というくらいの希少さでしかない。よく“エッセイ本”や“啓発本”などで「望み通りの人生になる」とか「思いは実現する」などというが、そういう本が山ほどあって、いつまでも“売れ続けている”ということは、実際には“そうなっていない人”が山ほどいて、読んでも読んでも“思い通り”にはなっていないという証明のようなものだろう。それにしても、よく同じようなことばかり、何冊も書き続けられるものだ。私には到底できない。同じことを書くなら、出さない方が良い、と思ってしまう。ところが、ここにからくりがあり、同じような本は、大体が“同じ人が買う”ものだ。つまり、絶対数として“簡単に幸せを掴みたい人”が何十万人もいて、そういう人達が必ず買ってくれるから、“あの手の本”は売れ続けることになる。「占い本」の読者数よりも、ずっと多いに違いない。何しろ、“占い”は面倒である。そこへ行くと“あの手の本”に面倒な部分はない。一種の「催眠術」だから、同じことを繰り返し、手を変え品を変えて書き続ければ良い。私が本を一冊書く時に必要なエネルギーや時間の半分も必要がない。私も“そういう本”を書きたいが、どういうわけか私には回ってこない。まあ、一冊書き上げれば飽きてしまうが…。

そういうわけで“世の中のほとんどの人”というのは、簡単に「望み通りの人生」や「思いの実現」を手にするのは“中々に困難”で、常に戸惑いながら、つまり内心“おかしいな”と思いながら、“理想から遠のいていく人生”にしがみついているのが現実なのだ。もっとも、それでは“あの手の本”が嘘を書いているのかというと、そうではない。実際に“潜在意識”をうまく活用することで、物事が形になっていくケースは沢山ある。考えようによっては「占い」が告げる“未来の姿”も“潜在意識へ伝えるイメージ”として捉えれば、新たな活用法があるというものだ。実際、現在のITによる「占いコンテンツ」の多くは、そういう意味合いで文章をまとめているような気がする。

私のところに直接鑑定に訪れる人の中には、明らかにそういう“イメージづくりのいったん”として占いを活用している人達もいる。つまり、“新たな事業”とか“新たな取引”を始める時、一種の「イメージ戦略」として、どうすれば成功へと導けるか、その“具体的なイメージ”を占いに求めて訊きに来る人たちだ。そういう人達に共通しているのは、“茫漠とした未来”を知りたがるのではなくて「このようにした場合はどうなるか」「このように変更した場合はどう変わるか」「改善法としては何が一番良いのか」訊いて来ることすべてが“具体的”であり、目の前の“現実的”なことだ。決して「遠い将来」などは訊かない。決断を迫られる問題で、選択部門と余地とがあって、実際に着手する以前の段階で、あくまでも決断を下すうえで“参考として”訊いて来るのだ。そこには、自分の人生や自分の事業の“ブレーンの一種”として、占い師を活用しようという積極的な姿勢が垣間見える。そのような形で、陰ながら事業に参加するのは占い師としても悪い気分ではない。どのような立場の人間であっても、多数の人間が動いたり、巨額の資金が動いたりする事業では“迷いがあって”当然なのだ。その「迷い」を、具体的な「イメージ」に変えるための最も賢い選択が「占い」にあるのかもしれない。


最近の記事はこちら

自らが創り出す「未来」

占星学や推命学の研究者の中には“先天的な運命”を動かしがたいものとして、本人の“意志”とか“選択”とか“努力”などを認めないような判断の仕方をされている方が多い。私自身も占星学や推命学の研究者であるか…続きを読む

あまりにもお粗末な「ツタンカーメン」番組

こういう番組をどう捉えれば良いのだろう。制作サイドは日本の視聴者をあまりにも軽んじすぎているのではないだろうか。7月18日のTBS古代エジプト世紀の大発見プロジェクト「ツタンカーメンと伝説の王妃330…続きを読む

日進月歩で「後退していく」占いの世界

世の中、日進月歩で進んでいくものが多い中で、まるで“後退りしている”ような世界が「占いの世界」だといってもよい。どうして後退りなのか、ここ20年ほど「新たな研究」「新たな学説」「新たな占い」「新進気鋭…続きを読む

人は“さまよいながら”生きていく

人間社会は「勘違い」で成り立っている。例えば、私は“書きもの”などでは何でも明確に“ズバズバ書く”ので、現実にもさぞかし「即断即決の人」「迷いのない人」「怖い人」であるかのよう誤解されがちだ。とんでも…続きを読む

「パスワード」という魔物

私は元々が“IT型の人間”ではないので、日頃から“IT関連のもの”は苦手である。その中でも一番厄介なのが「パスワード」で、あらゆる場合にこの部分で躓いてしまう。何故、もう少し簡単に設定できないのか。憶…続きを読む

Copyright© 2015 NAMIKISEIRYU All Rights Reserved.