素顔のひとり言

倖田来未発言とインターネット社会の光と影

ラジオの深夜放送で歌手・倖田来未が「35才を過ぎたら羊水が腐る」と発言したことが問題視され、活動自粛に追い込まれた。発言がクローズアップされるきっかけを作ったのはインターネットの書き込みだったらしい。私はここで彼女の発言について、どうこう書くつもりはない。

それよりも最近のニュースがインターネットの書き込みから生まれたり、クローズアップされていることに注目したい。一時期に比べればインターネットの影響力と云うものを過大視する傾向はなくなったが、それでも着実に、我々の生活の中にインターネットが定着し始めて来た証明ともいえるだろう。情報発信源の役割として欠かせないものになりつつあるインターネットだが、日本人の場合、個人的な電子メールを別とすれば、本当に効果的な形で活用している人はそれほど多いとは云えない。

例えばアメリカや中国やインドのように、広い国土を持っている国においては、インターネットにおける情報発信は極めて効果的と思われるし、その必要性もある。日本と云う国は、それらの国に比べると絶対性には欠ける。日本では誰もが持っているTVや、多くの人が目を通す新聞、それに週刊誌や雑誌、情報誌、ラジオなど種々な情報発信源があり、インターネットはその一部でしかない。日本国内における情報発信源としての役割の第一位はたぶんTVであろう。これは時代が進んだとしても、あまり変わらないかもしれない。かつてライブドアのホリエモンは「インターネットがテレビに変わる時代が来る」と云ったが、少なくとも日本ではTVがパソコンに近付く時代が来る…と見る方が現実的であるように思う。それに日本人の性質を考えると、その方が良い。

TVにはパソコンや携帯電話にない「共有性」と云う性質があり、単独の情報発信となる部分が少ない。そういう中で情報をやり取りした方が、客観的に物事を捉えられる。パソコンや携帯からの書き込みが危険に思えるのは「類は友を呼ぶ」で似た意見や考え方が集中しやすく、群集心理も働いて、一方的に「善」や「悪」を決めつけ、袋叩きにしないと気が済まないような状況を生み出しやすいからである。

そういう思考法が身に着くと、自分の意見や考え方の前に「みんなはどう思うのか」を必要以上、気に掛けるような生き方となりやすい。本来、インターネットの良さは、誰にも制約を受けずに個人からの情報発信が可能な点にある。その良さがいつの間にか失われ、ホームページなども、いかにしたら見てもらえるか、アクセスが上がるか、効果が得られるかなど…本来の意義からは遠ざかってしまうようなケースも目立つ。

インターネット殺人などは論外だが、出会い系の迷惑メールも後を絶たない。どうしてぶしつけに「逢ってくれたら何十万振り込みます」などと云う内容となるのだろう。中には待ち合わせもしていないのに「どうして来てくれないんですか」と云うわけのわからないものまである。さらに、何の意味もないような芸能人ブログが何十万ものアクセスを得ているなどと云う話を聞くと、インターネットがもたらした功罪の方が大きいのではないかと、思ってしまう。本来の情報発信源としての役割を良い形で発揮し、成熟したインターネット社会を育て上げていくのも利用者である我々はもちろん、日本のマスメディアに課せられた責任ではないだろうか。


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