素顔のひとり言

労災としての精神疾患が急増していく

労災認定を申請している精神疾患の人達が、ここ9年間の間に20倍にも増えているのだと新聞が伝えている。この種の病気は怪我などと違って、必ずしも全員が労災申請しているとは限らないので、実際の数字はもっと多いのかもしれない。しかも昔と違って、今の精神疾患は多種多様で、一見しただけではそれと気づかないようなケースも多い。

私のところにも、たまにうつ病の方や、パニック症候群の方などが来られることもあるが、とても病人になど見えない人もいる。それに頭脳そのものは優秀で、才能的にも豊かなものを備えているケースが少なくない。仕事や職場環境が原因で精神が蝕まれ出している場合、本人自身がもっとも自分自身の変化に戸惑っている。そういう場合、職場環境が変われば精神も健全さを取り戻し、見違えるほど活き活きと変わっていくケースも多い。

ここ9年間の職場環境の変化と云うことで誰もが気付くのは、どのような業種においてもIT化の推進が第一であろう。他には個人情報の持ち出しに関するチェックが厳しくなったこと、コスト削減がより厳しくなったこと、正社員をリストラして派遣社員やパートに切り替えつつあること等であろうか。

どの業種でもIT化を進めずして同業他社と対抗していくことはできない、と云う時代の中で、アナログタイプの中間管理職は行き場を失った。ことITに関しては、若い部下から操作方法を学ばなければならない。ストレスがたまるのは当然である。私のお客さんでも部下から笑われながらパソコンに向かうことが苦痛だと漏らしていた人がいる。若い人でも、対人関係が苦手な人はIT化が進むことによって、ますます孤立してしまい、同じ職場に居ながら誰とも話をすることもなく日々が過ぎていく状態が生まれる。これで憂鬱にならなかったら、その方がおかしいのだ。

仕事人間の場合はもっと深刻で、パソコンは自宅にもあるため、これまでなら職場だけで済ましていた仕事を自宅にまで持ち帰る人達もいる。そうすると自宅に戻っても休息や安眠が出来ない。それらが続けばどうなるか、考える余裕さえないのだ。こうして精神疾患の予備軍が日々増えていくことになる。

個々の業種や企業によって、特殊要因は様々あるとは思うが、徐々に人間性が薄れていくような職場環境が作られつつあることは否定できない。極端なことを言えば、ロボットのように仕事だけを黙々こなしていく労働者を企業が求め始めたのだ。

そして、その反動のように私生活においてはより人間的なものを求める風潮が強まっている。そうでなければIT関連の店がひしめく秋葉原において、メイド喫茶が受け入れられるわけがない。ややデフォルメされた形で、メイド喫茶は失われた優しさを売っているのだ。高度成長期に繁栄したバーやクラブやスナックなどの大金を投じる「偽りの癒し」よりも、低料金でも「アニメチックな癒し」を与えてくれる方に若者たちは流れていく。

女性の方は、エステやネイルや各種セラピーなど癒しの種類も豊富で、きめ細かく分類される。美容と癒しとを結びつけている産業が一歩リードしているような印象を受ける。昔のように、男性には癒しの店が存在しても女性にはない、という時代ではない。むしろ、近年急速に増えつつあるのは、明らかに女性にターゲットを絞った癒し産業だ。

実際、占いのコンテンツなどでも、ただ単に占うと云う形式のものでなく、いかに心の癒しを与えながら占っていくか、将来への安心を促すような言葉遣いをするか、と云うような気遣いを重視しているコンテンツや電話占いも増えて来ている。占いも「癒し産業」として捉えれば当然ともいえるが、それでなければ売り上げが伸びないなどと、占い結果そのものまで度外視して気遣い優先になってしまうと、それはもう占いではない。

実際に精神疾患を患いやすい人達の特徴として、手相の頭脳線や感情線に乱れや破れや島型を持つケースは多い。ただ、そういう人たちの全部が病気になるわけではなく、何となく憂鬱だったり、ミスが続いたり、対人関係で悩んだり、スランプ状態が続いたりしている内に、本来の自分を取り戻して治っていく人たちもいる。だからこそ、職場環境を変えてやるだけでも精神疾患は完治したりするのだ。よく何カ月か休職して復帰するケースもあるが、職場環境そのものが変わっていないと、大きな成果を上げることは難しい。したがって、大きな企業の場合は、職種を変えるとか、勤務地を変えてやる方が完治しやすいものだ。

一時期人気のあったIT産業は、最近その人気に陰りが見えているが、それは企業としての将来性だけでなく、もっとも精神疾患が生じやすい職場環境に適合しているせいなのかもしれない。


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