素顔のひとり言

勢いを失っていく地球の人々

昨今のニュースはどれもこれも暗い話題ばかりだ。将来に対する閉塞感が若者達の間に生まれて来るのも無理がない。いったいいつから日本の国は、こんなに“未来に希望の持てない国”に変わってしまったのだろう。最近はTVドラマを見ても、重苦しいテーマや内容を扱ったものが目立つ。こういう時代を反映しているのだろうが、観終わった後で何となく異物が喉に突っかかっているような不思議な気分になる。

もちろん、将来への閉塞感は日本固有の問題でもない。世界各国が何故か失速してしまって国としての勢いを失い始めているような気がする。大震災や津波や放射能に襲われた日本だけでなく、今も洪水に襲われているタイも、国自体が危うい状況のギリシャ、その余波におびえるイタリア、ポルトガル、スペイン等のヨーロッパ諸国、長期独裁政権が覆され始めたイスラム諸国、そしてさまざまな問題を抱えて失業率が高止まりしているアメリカ、正に勢いに陰りが見え始めている中国、その影響をもろに受ける東南アジア各国、何処一つとっても順風ではない。

先頃、生活保護受給者が205万人を超えて過去最高となったことが報告された。戦後の混乱期よりも多いというのだ。これは日本ばかりではなくアメリカも同様で、何と日本の10倍以上の受給者がいると知って驚いた。働きたくても働けない現状が世界的に広がっている。欧米と違って日本の場合、いったん生活保護を自給すると新たに就職を果たすのが大変に難しい。特に40代以降はそうだ。仮に新たな職場を得ても生活保護の金額より少ない収入になってしまう矛盾等も生じやすい。そうであれば受給し続ける生活を択ぶのは仕方のない選択かもしれない。ただ若い受給者の中には、働けるのに働かないで“福祉に甘える生活”に慣れ、そのまま受給し続けてしまうケースも多いようだ。短期間しか働く経験をせずに人生を投げ出し就職をあきらめてしまうとか、10代後半や20代前半でシングルマザーの道を択び、生活保護に頼る人生を選択してしまうのは何かしら寂しい。生活保護というのは最後の手段であるはずだからだ。社会福祉が充実するのは良いことだが、その一方で働いても生活保護と同程度の収入しか得られないとか、それよりも低い金額になってしまうのでは労働への意欲が失われるのも致し方がない。その点を改善していくための方策が行政には求められる。

高度成長期の日本は、国としても勢いがあったし、多くの人達が日本の輝かしい未来を信じて生きていた。この“輝かしい未来を信じて”ということが、人間が生きていく上では大変に重要なのだ。極端なことを言えば、今現在はどのような生活をしていたとしても、未来に希望を持って生きている時、人は活き活きと輝いて働くとか、真剣に学ぶとか、心から愛するとかが可能になるのだ。今現在がどんなに満たされていたとしても、将来に希望が見いだせなければ、人は暗く憂鬱になって閉塞感ばかりが強く輝きを失った生活となる。私が幼い頃には、科学が進んだ未来の生活というのは“快適で素晴らしいもの”というイメージが強かった。そういう風に雑誌にも描かれてあったし、ニュースでも放映していた。もちろん、その多くは現実のものとなり、実際、快適にはなったのだが、その弊害もいたるところで現れ、結局、快適なだけではなかったことを知ることになる。その代表例は原子力だろう。そう、我々は実際には科学というものに対して“過大な期待を掛け過ぎていた”のだ。経済的な繁栄に関しても、社会福祉の充実に対しても、実際にはそれが必ずしも“生活を潤すばかりではない”ことに気付かされた。つまり、何十年も前の人々の幻想は幻想にすぎなかったのだが、それはそれで良いのだ。何故なら最初から幻想と気付いていれば、今日のような世界は生み出されなかったかもしれないからだ。人間の心理とは不思議なもので、仮に予測が正しかったとしても、荒廃する世界は誰も望まない。つまり、あらるることが予測出来過ぎるのは時として不幸を呼ぶのだ。そのような点から言えば、若い人達には特に、未来の希望となり得ることを探し出して、その部分を強調して将来への判断してあげることが、占い師にも求められる時代に入ったと言えるのかもしれない。


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