素顔のひとり言

歌は人を変える

私の住んでいるマンションのすぐ近くに「中央小学校」と云う名の小学校がある。たまたま午後4時頃そこを通りかかったら、童謡の「ふるさと」が聴こえてきた。それは多分、オルガン演奏のテープを時間に合わせて流しているだけだった…と思うのだが、古ぼけた小学校の校舎から鮮明に聴こえて来ただけに、いっそう妙な懐かしさや心安らぐ音色のように私には響いた。

「うさぎおいしかのやま、こぶなつりしかのやま…」別に歌詞も一緒に流れていたわけではない。テープのオルガン演奏のみだったのに、私の耳には児童たちも合わせて歌っているような幻聴が流れた。現代の速いリズムの曲ではない。ひとり、ふたりの児童が校門から出ていくのが見えた。その姿を横目で見ながら、今の子供たちに合っている曲とは云えないな…と思った。けれども、この古ぼけた校舎には妙に合っていた。良い曲だな…と思った。

こういう曲を聴きながら育った子供たちは、またこの校舎に戻って来たい、と思うだろうか。それは解からない。家の中ではテンポの速い曲ばかりを聴いているだろうから、案外「ふるさと」なんかには興味を持たないかもしれないからだ。仮にそうであったとしても、こういう曲を学校が流してあげるのは良い。教えているなら、もっと良い。

今の音楽教育がどうなっているのか、私は知らない。ただ感じるのは、こういう童謡に囲まれて育つと、親や同級生を刺し殺すような子にはならないように思う。先に高校生が自分の母親を刺殺して、その頭部を持ち歩いた事件があったが、その高校生はアメリカの過激バンドの映像に強く影響を受けていたと云う。近年、アップテンポの曲ばかりがメディアから流される。もちろん、時代がそれを要求しているのだ、と云い切ることは簡単だ。

けれども、それらの音楽に取り囲まれるようにして育つことで、深くじっくり考える、穏やかに物事を受け止める、と云った日本人の良さが徐々に失われつつあるような気がしてならない。

日本に推定5万丁もあると云われる拳銃も、過激社会に拍車をかけていくような気がする。だれか社会的な問題を起こすと、一斉にその人物を血祭りにあげるかのような言葉の暴力が始まる。最近のマスコミは、アメリカ西部の保安官でもあるかのように、徹底的に疑惑人物を追い込んでいく。

もちろん、疑惑を追及するのが悪いと云っているのではない。ただ、社会的に抹殺しなければ気が済まないかのような報道の仕方は正しいことなのであろうか。

私は時々疑問に思う。

昔懐かしい「ふるさと」のような曲が街のあちこちから聴こえて来るようになれば、もっと優しく、もっと穏やかに、人を思いやって話し合うことのできる社会がやってくるのではないだろうか。


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