素顔のひとり言

海外旅行中の占いにまつわる思い出

ゴールデンウイークが近づき、海外旅行に出掛ける方の中には、海外における占い体験を希望する方もいることだろう。最近では東南アジア地域におけるいくつかのツアーで「占い体験」をオプションとして組み入れているものもある。ただ参加者は少ないらしく、正直、体験した方たちの評判もそれほど良くない。これは企画する方に問題があるからだと私は思っている。

それはともかく、参考のために私の海外における占いに関しての体験を少しく記してみたい。イタリアの路上占い師達は違法らしく、警察がパトロールで回って来るごと、瞬時に屋台をたたんで消えてしまう。そうして警察がいなくなると、再び何事もなかったかのように路上にあふれだす。大判のタロットカード22枚による占い師が多かった。タイの街角に居た若手占い師は手相とタロットを使って占っていたが、私が占い師であると知ると、急に親しげに自分の手相を見せて「オレはマスカケの手相だから大成功するぜ(これは多分、そう云っていただろう…と云う私の勝手な訳である)」自慢げであった。

シンガポールでは「オーラ占い」と云うものを体験した。個々のオーラを映し出す機械があって、電気椅子のようなそれに座り全身を撮影してもらって、オーラをプリントアウトした紙を見ながら占い師が解説してくれる、と云うものであった。私のオーラは、明るく大変に勢いが良く成功間違いなしである、とほめられた。こんなオーラは滅多にない、と善いことばかり言われたが、正直落ち込んでいた時期だったので励みにはなった。

台湾では四柱推命と手相とで占ってもらったが、観光化しているせいか、どうも真摯さが感じられなかった。日本人のマスコミ関係者の名刺が多数置かれていたが、どう見ても実力的には三流占い師で、自分の自慢話ばかりしていた。大体どこの国でも、もちろん日本でも、自分の自慢話をする占い師は信用できない。台湾は占いの書物は多数あって、そういう点では大いに参考となったが、全体的に占いのレベルは高くない。その割に鑑定料は高い。ただ占い用品を購入しようと思うなら、道教寺院傍の店がおススメだ。とにかく易占用のサイコロセットが日本円で200円なのだ。日本でこれを買えば5000円取られる品だ。あの時3セットだけ買ったのだが、今思うと店にある分を全部買っておくべきだった。

ドイツで購入したタロットも、今思えば安かったし貴重だったので、もっと買っておくべきだった。ドイツでは何と呼ぶのか知らないが「タロット」では通じなかった。それで工夫して「タロー」とか「タロッキ」とか「オカルトカード」とか色々云ってみたが駄目で諦めかけていたとき、偶然にも「金色のタロット」を見つけたのだった。これは日本でもそうであるが、占いの本とか占い用品とかは特殊なものなので、ショップの方に探してもらうより自分で探した方が早く見つけ出す例が多い。海外の路上の古書店で、占いの本を見つけ出したりすると、それが読めなくても購入してみたくなる。日本に持ち帰っても大抵は役立たないのだが、或る種嗅覚のようなものが、それらに引き寄せられ見つけ出してしまうようだ。イタリアでは屋台のお土産売りの品物片隅からタロットカードを発見したし、ドイツでは女性週刊誌の付録として占いカードが付いているのを見出した。

フィリピンへ行ったとき出会ったサウジアラビアから来た女性占い師にはトランプで占ってもらったが、その迫力は忘れることが出来ない。トランプカードをまるでマジシャンのように扱い、目まぐるしい速さで次々とシャッフル・スプレッドさせながら、早口で捲くし立てるのだ。そして主要なところでは人差し指を突き出し、まるで名探偵が犯人を名指しするかのような鋭い目で「その結果、あなたの周りにはたくさん女性たちがやって来るが、本当にあなたを愛しているのは一人だけだ!」などと断言された。

これと対照的だったのはエジプトのコーヒー占い師で、魔法使いのおばあさんのような老婆であったが「あなたには誰にも告げぬ深い悲しみがある。それが何なのか…私にも…わからない」と一瞬、そこに居た誰もが押し黙るかのような雰囲気の中で占いが終わった。

現代のエジプトはイスラム教に支配されているため、占いへの興味は薄れている。そのせいか、そのおばあさん以外にコーヒー占いが出来る人はなく、後継者もいないと教えられた。多少霊感的なものも手伝っていると思ったが、古代から継承された貴重な占いの料金は日本円で50円ほどであった。この時の占いはヌビア語からアラビア語へと通訳され、そのアラビア語を日本語へと通訳する、と云う形式で行われた。これらを何と50円でやってもらえたのだから、本当にラッキーで神様に感謝したい気分であった。

海外の占い師の中には、現地の占い価格とは掛け離れた金額を吹っかけてくるケースも多い。日本からの評判と云うのはあてにならない。旅行雑誌で大きく取り上げられていた台湾の占い師は、高額であったが私のことを「ヤクザなら大親分になれる」と自信たっぷりに判断した。私は確かにサングラスを掛けていて派手な服装だったから、ヤクザに見えたとしても仕方がないが、どうも気持ちの良い表現ではなかった。マスコミの方々よ、どうか海外の占い師を取り上げる時には、旅行者にも役立つような客観的評価を載せてほしい。


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