今日の迷言・余言・禁言

祇園に「帝国ホテル」がやって来る

世界的に見ると“日本のホテル”というのは今一つ知名度に乏しい。いや日本国内であっても、いかにも“高級”といった外観や雰囲気を備えているホテルのほとんどは外資系だ。純粋な日本のホテルで誰もが高級と感じられるのは「帝国ホテル」「ホテルオークラ」「ニューオータニ」の“御三家ホテル”のみだ。最近では「星のや」などが加わってきているかもしれないが…。これだけ外国人観光客が増えてきているのに、外資系ホテルばかりが次々建ち並んでいくのはなんとなく寂しい。そこで日本を代表する「帝国ホテル」が“新たな手”を打とうとしている。京都の祇園にある国が指定した“有形文化財”の一つ「弥栄会館」を改修して“高級ホテル”に様変わりさせてしまおうというのだ。この会館は1936年に建築された建物で、欧風建築と日本建築を見事に融合させ、地上5階、地下1階で独特の外観を醸し出している。もっとも、現在は“文化財”であるから勝手に建て直すことは出来ない。各方面との調整が必要だが、老朽化していることもあり、内部改修そのものは許可されるだろう。「帝国ホテル京都」とするのにふさわしい外観なのだ。京都の場合、建物の“高さ制限”があるので、ホテルであっても高層建築が許されない。そういう意味では、こういう“文化財的な建物”や観光対象でもある“遺跡的な建物”を上手く活用して、ホテル化していくのが、大胆な投資が難しい日本のホテル業界“にとって望ましい方向性”であるよう私には感じられる。もし、ここが成功すれば、各地に眠っている“文化財的な建物”も次々とホテル化していくのが良い。ここは場所的にも八坂神社に近く、夜でも日本情緒を愉しめる散歩が出来そうである。こういう一等地は、京都の場合、既に何らかの建物が建っていて、簡単に立て直すことが出来ない。そういう意味でも、この戦略は望ましいのだ。京都なのだから「リッツカールトン」とか「フォーシーズンズ」とか「ハイアット」とかの外資系ではなく、日本らしい品格の「帝国ホテル」を現出させてほしい。


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