今日の迷言・余言・禁言

私に「神とは何か」を教えた小説群

私は外国の小説をあまり読まないので、海外の「宗教小説」については知らない。けれども、日本の宗教小説は十代から二十代にかけていろいろと読んだ。その中で“キリスト教”に関連する小説は、遠藤周作氏の小説が“群を抜いている”と思った。私は彼の作品を通じて「イエス・キリストの実像」を知ったし、江戸時代における“隠れキリシタン”の実態を知った。さらにいちばん貴重だったのは「神とは何か」を教えられたことである。それまで、私が漠然と抱いていた「神」に対するイメージを、ものの見事に打ち壊したのが『沈黙』だった。そして、それ以降、私の神は決して“完璧な存在”等ではなく、黙って“見守るしか出来ない男”に変わった。そうして、それだからこそ“親友”のように親しめる存在となったのだ。もし、彼の小説群を読まなかったら、しだいに「神」を遠ざけるようになってしまったと思う。その遠藤周作氏の“未発表作品”が長崎県の「遠藤周作文学館」で見つかった。秘書によって清書された『影に対して』という作品だ。知らなかった母親の生きざまを辿りながら、いつしか啓発されていく男の物語104枚であるらしい。この種の作品は存在していないので、ぜひ活字化してほしい。宗教的な要素を持った小説というのは、よほど上手い書き手でないと、お説教じみた作品になってつまらなくなる。要するに、これこれの信仰をすれば、こんなに変わることが出来たとか、奇跡のようなことが起こったとか、最終的には救われたとか、そういった“お説教じみた内容”になりがちなものだ。けれども、遠藤周作氏の小説には、それがなかった。理不尽な出来事がいっぱい書かれていて、それが史実に基づいた内容で、だから誰も反論できない。一部の国では「発禁になった」ともいうが、それだけ“本当のこと”が書かれていたということだ。そして、それを隠そうとするような宗教国家に、もはや「神」など存在しない。


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