今日の迷言・余言・禁言

芸能人が「役立つ」好例を示した渡辺美奈代氏

私がまだ十代だったころ「ベ平連」という活動組織があった。確か「ベトナムに平和をもたらす活動連合」といった感じの意味合いの組織で、作家の小田実氏が中心的存在だった。私個人は“デモ”のような行為はあまり好きではないが、小田実氏に対しては、その著作物から尊敬をしていた。その彼が、何かのインタビューで「あなたはなぜ日本人のための活動ではなく、ベトナムの人達のために活動しているのか」と問われて、そう質問した人物に「もし、あなたが日本人のために何かが必要だと思うなら、それを行動で表すのが良い。私はたまたま彼らと関わったから、彼らのために活動している。人間は自分が関わったものの中でしか世の中に貢献できない」と言った感じに答えていた。この言葉は人間の本質をついていて、人は最終的に自分に直接かかわることでしか世の中に貢献できない。あれこれと吟味し過ぎていると、結局、何もしないで過ぎてしまう。世の中に「貢献したい」と思っている人は多いのだが、何を始めて良いかわからない、という人達も多い。自分が直接かかわったものを始めるのが一番良い。それも、すぐ始める方が良い。「貢献」というのは、そのうちと思っていると、いつの間にか遠のいてしまう。そういう風に出来ているからだ。昨日、タレントの渡辺美奈代氏が自分がオフィシャルアドバイザーを務める中央建設に自ら発案し、東京の聖路加国際病院に対して医療マスク1300枚、防護服100着を寄付することを提案し、それが実現したことが報告された。彼女自身が「自分の命を投げ出して過酷な現場で日々奮闘されている医療従事者の方々に、微力ながらお役に立てればと、同社に相談をして実現することが出来ました」と語っている。芸能人など、著名人はさまざまな形で各種企業・団体から“名誉職”を与えられている場合が多い。或いはスポンサー企業となってもらっている場合が多い。医療従事者用のマスクとか防護服とかは、ただ単にお金を出せば作れるとか寄付できるというものではなく、それなりのルートが必要である。おそらく、この建設会社は特殊な作業着などの製作依頼でルートを持っていたのではないだろうか。或いは人脈を持っていたのかもしれない。とにかく、芸能人個人では不可能なことを関わりある企業に協力してもらうことで実現した。このような形で、さまざまな著名人が動けば、解決していく問題が数多くある。まさに、芸能人だから出来る「貢献」なのだ。


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