東京都が行った「住居喪失不安定就労者などの実態に関する調査」という名称のデータが公表された。難しい名前がついているが、要するに「ネットカフェ難民」の調査なのだ。住所を持たない…かといってホームレスのように“路上”や“公園”をねぐらにしたくはない、そういう人たちが“我が住居”とするのはカプセルホテル、ネットカフェ、漫画喫茶、24時間サウナ等となる。それらの“常連者”たちが今回の調査対象である。その結果、完全に住居を喪失しているのは、利用者の約4分の1くらい。実数として約3000人~4000人というのが実態らしい。男性が圧倒的に多く、中でも30代が多いらしい。その多くは無職ではなく、派遣やパートやアルバイトの方達だ。30代の男性が多いということは、地方から東京に出て来ている男性が多いような気がする。東京に就職しても、その仕事や職場の対人関係、暮らす地域や住居に馴染めなければ、長続きできない。いったん“正社員”から離れると、今度は中々“正社員”という座を射止めるのは難しい。自分に合わない仕事や職場に長くいても良いことはないが、かといって離職してしまうと、その後の生活が不安なので“とりあえずの就職”を急いで失敗するケースも多い。私は占い師の立場から、これまで就職や離職や転職や適業の相談を山ほど受けてきた。その実態はさまざまで、百人百通りの“違い”があり、全部を一律で語ることなど出来ない。ただ比較的“器用な人”、或いは“才能はある”が集団が苦手な人、一応“何でもできる”ような人の方が、就職や転職では悩みやすい。つまり、何の仕事なら本当に成功できるのか、どういう職場なら長続きできるのか、どうすれば職場に受け入れてもらえるのか、何度かの転職で自信を失っているケースが多いからだ。一見、この人ならどんな仕事や職場でも十分に活躍できそうな人ほど迷い悩み、自信を失っているケースが多い。かえって、自分にはこれしか出来ないとか、自分は対人面が苦手だから受け入れてもらえるだろうか…というような人の方が、意外と転職して上手くやっていけることが多いのだ。昔の教えに「運・鈍・根」というのがあった。「運」は「時期を待て」、次の「鈍」は「過敏に騒ぐな」、最後の「根」は「根気が大切」ということで、この三法則を守れば必ず“成功する”というのだ。成功するかどうかは疑問の部分もあるが、このような意識で生活すれば、少なくとも住居を喪失してしまうことはない、とだけは保証できる。
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