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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「人類滅亡」“火付け役”が「凶災の年」に死亡


1973年11月、その後、日本中で論議を巻き起こした一冊の本を上梓する。五島勉氏による『ノストラダムスの大予言』の発売である。丁度、その頃、日本はなぜか“超能力ブーム”・“オカルトブーム”・“精神世界ブーム”の始まりに差し掛かっていた。高度成長期で、新しいものがどんどん生まれ、庶民の暮らしが豊かに変わり、繁栄を謳歌していたが、その一方で将来に対して“漠然たる不安”が頭をもたげて来ていた時期でもあった。そういう絶妙なタイミングの中で『ノストラダムスの大予言』は発売された。元々、女性週刊誌のライターであった五島勉氏は「1999年7の月…」で始まるノストラダムスの“予言詩”を女性達にも理解できるように、当時の世相とも絡めて、かみ砕いて解説した。その結果、この本の“人類滅亡説”は女性たちだけでなく、十代の若者の間であっという間に広まった。これに、飛びついたのがマスコミだった。まことしやかに、20数年後にやって来る“人類滅亡説”説が空前のブームを呼んだのだ。そして250万部ものベストセラーとなった。確かに「1999年7の月…」という“終わりそうな年号”も、妖しさを演出した。多くの人は知らないが、五島勉氏は“ロシア正教”の家庭で育った。そのことが後に「ノストラダムスの世界」を語る上で重要な役割を果たした。なぜなら、ノストラダムス自身も、キリスト教の信仰を背景として持っていて、どこか“信仰者の予言書”になっている部分が、彼の四行詩にはあるからだ。占星家として有名だったノストラダムスの“抽象的な難しい予言詩”は、16世紀にヨーロッパ各国で発売されたが、実際にはそれほど売れた書籍ではない。大体が、わざと抽象的に難しく書いてあって、或いは比喩的に書いてあって、文学や語学の素養の無い人が読んでも、よく解からない内容になっている。そういうものなのに、数百年にわたって、さまざまな研究者が解釈を試みている。日本では「1999年7の月…」で始まる四行詩だけが取り上げられがちだが、それ以外にも多数の“予言”が述べられている。ただ、わざと“順不同”にしてあって、そういうところも彼らしい。彼は自らの「死」についても予言してあり、実際、その通りの死に方で発見された。今年、90歳を迎えた五島勉氏は「防ぎようのない自然災害の年」の訪れを待っていたかのよう、ひっそりと6月に亡くなった。
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