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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


「富家の貧人」とボヘミアンな画家


久しぶりに昔の仲間から便りがあった。波木先生のところは良い、自分達はもう年金生活だから経済的に大変で、海外に出掛けるなどの余裕がない…と云った言葉が並べられていた。何億と云う不動産を所有している彼から、このような言葉が伝えられるとは思わなかった。正直、うろたえてしまった。別に私の方に経済的な余裕があるわけではなく、ほとんど衝動的とも云える形で、占いの研究を兼ね、突き動かされるよう時々海外へと出掛けているだけだ。

仲間とは云っても彼の方が一回りも上であるから、年金生活であることは私も知っている。そして昨今の生活必需品の値上がりが家計を直撃していることは私の家庭でも同じだ。もちろん通常の年金生活者にとって、それがどれだけ大変なことか、大昔の一時期、生活保護家庭で育った私には痛いほどわかる。しかし、彼は何億という土地・家屋を所有しているのだ。古いが八世帯くらい入るマンションを持ち、そこからの家賃収入が入っているはずなのだ。しかも彼は今、本来の自分の家では暮らしていない。自分の家には娘達だけがいる。事情があって義母の家に暮して、ご夫婦で90何歳かの親を見てあげているのだ。実際には家賃収入のほかにも、義母の年金が入り、義兄の障害者年金も入る。自分達の年金収入は確かにぎりぎりの生活資金かもしれないが、その他が沢山存在するのだ。

但し、本人の年金以外はすべて奥さんが管理していると云うことを以前に漏らしていたことがある。多分、奥さんは彼の正規の年金以外は生活資金として使っていないに違いない。自分達の年金以外は子供たちのため預金に回されているのだ。そう考えないと、つじつまが合わない。

実は高齢者世帯には、このようなケースが意外なほど多い。質素に生活する習慣が身についていて、本来の生活資金以外は絶対に使おうとはしない人たちだ。だから銀行に眠ったままのお金が日本には多いのだ。四柱推命の古典的な教科書には「富家の貧人」と云う言葉が出て来る。富裕の家に生まれたり、富裕の家に嫁いだりしても、自由になるお金を与えられず、本人は質素な生活を強いられる人を言う。四柱推命の命式で、財星多くて日干が脆弱な組み立ての四柱八字命式らしい。

彼がそのような命式かどうか知らないが、確かに富裕の家に生まれながら、あまり贅沢は味わっていないらしい。彼の場合、商売を継いで欲しい父親の意思に背いて、早くから実家を離れ、東京の大学へ入ってしまったからだ。しかも大学を卒業して間もなく結婚し、子供も生まれている。つまり中学生くらいまでしか「富裕の恩恵」を与えられていないのだ。その後も職場を何度か変えているので、あまり収入にも恵まれぬまま定年を迎えた。

先ほど何億と云う不動産を所有していると云ったが、実際には義母名義なので、彼自身の所有ではない。父親の遺産は、晩年彼が親の面倒を見たのにもかかわらず、別な兄弟にほとんど渡っている。まさに「富家の貧人」なのだ。

実は同じような人生を歩んでいる人は決して少なくはない。私の知り合いの中にも「富家の貧人」は何人かいる。その一人は、今も戸籍上は社長夫人だが、事実上、夫と別居生活に入って10年以上になる。名前だけの社長夫人だ。僅かながらの役員報酬で生活しているらしい。しかも、その人の場合、祖父は大財閥であり、孫の1人である彼女にも1億円近い遺産が転がり込んだ。にもかかわらず、夫の事業拡張にその金のほとんどはつぎ込まされたのだ。しかもそれは別居してから後の話なのである。「ご主人には黙っていなさい」と忠告したのに、彼女はきかなかった。嫌いだと云って、自から夫の元を飛び出したのに、遺産をつぎ込むとはどういうことなのか…その結果として彼女は、今も昔と同じように借金生活を続けている。

そう云えばボクサーのジョージホアマンだったと思うが、チャンピオン時代には何百億ドルと云うファイトマネーを得ながら、自己破産してしまった人物もいる。日本の有名人でも、千昌夫やジャンボ尾崎や桑田真澄のようにバブルに踊らされ借金生活を続けている人たちもいる。

お金に振り回される人生を歩む人もいれば、お金には無頓着な生き方を続けている人もいる。最近、個展を開き、初めて画集も出すことになったジミー・大西など、その代表格であろう。最近発売された雑誌によると、23歳以降、自分名義の住居と云うものを持っていないのだそうだ。現在も世界を放浪中で、或る意味では中田英俊のようだ。違うのは、すでに結婚していて奥さんもいるのに、未だ彼女が独身時代から借りている部屋を、日本での住居としていることか。さんまの運転手だったのが、いつの間にかタレントとなり、そして12年ほど前からは画家として、バルセロナやマルタ島に暮らす。一見優雅な生活のようだが、実は未だに吉本からタレント扱いで経費が落ちていて、自由に絵を描かせてもらっているだけのことらしい。バルセロナではルームシェアで若者たちと一緒に雑魚寝する部屋だけのようでもある。

だが、そういう生活の中で、彼の良いところは好きなことをして自由にさせてもらっているのだから、自分はゴージャスな生活をしている、と本気で語るところだろう。つまり精神的に貧しくないのだ。こういう人は案外、将来は大金を掴むかもしれない。いや大金を掴めなくても、ゴージャスには暮らし続けられることだろう。ただ本当に良い先輩と奥さんに恵まれたものだ。

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