一時期「宇宙人のミイラ」として注目を集めたのが、2003年にチリで発見されたミイラ化された15㎝ほどの小さな遺体だった。その外観は頭部だけが異様に大きく、しかもやや尖っていて、肋骨が20本しかなく、手足が長く、明らかに全身のバランスを欠いていた。2013年に科学者たちが調査したが、判明したのは「数十年前の遺体であること」「人類の女性と思われること」くらいで、その詳細は不明のままだった。今回調査に乗り出したのは、スタンフォード大学の微生物&免疫学部のギャリー・ノーラン教授らのグループである。そして慎重な調査報告が発表された。それによると、ミイラは50年ほど前のもので、身長は15.5㎝、肋骨は20本、骨の状態からは4~6歳の女児なのだが、それは遺伝的に稀な“突然変異が重なった結果”で、実際には流産したか、産れて間もなく死亡した女児であると推測される、というのが彼らの調査報告であった。う~ん、今一つ歯切れが悪い。特に、稀な突然変異が重なるって、どういうことなのか。おそらく、過去の症例が見当たらない、ということだろう。そうでなければ、必ず、過去の症例を出して説明するはずだからだ。つまり、可能静的には、完全に宇宙人説が否定されたわけではなく、ひょっとしたら、人間の女性胎内から産まれていることは間違いないが、人類とは異なる“遺伝子”が組み合わされた結果としての胎児だった可能性を残すのではないだろうか。以前、宇宙人の児を妊娠したというイタリア女性がテレビで語っていた興味深い話がある。その児は、体内で成長するにつれ、激しく動き出し、結果的に予定日などより早く、異様な容姿で勝手に産まれ出てきたが悶絶しながら亡くなった…と震えながら話していた。
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