私がとても良いことだと思ったのは「新型ウィルス」の緊急事態に、製薬メーカー各社が業界の枠を超え“治療薬”の共同開発に取り組むとの報道があったことである。それぞれの“研究成果”を集めることで、少しでも早く、有効な手段が開発できれば良い。結局、人類は地球を征服できないし、ましてや宇宙など制御できない。現在の人類の科学レベルというのは、この程度のものであることを強烈に教えたのが今回の騒動なのだ。私はキリスト教徒ではないが『旧約聖書』に「バベルの塔」の物語が出てくる。人間は傲慢となって、神をも恐れぬ企てを講じる。「天まで届く塔を建てよう」それを知った神が怒って、途中まで築き上げたバベルの塔を粉々に壊してしまう。ちょっと違っているかもしれないが、意味合いとしてはそういう感じの物語だ。現在の世界の“株価の急落”は、そういう感じの崩壊の仕方である。社会現象としても、各国が“自国防衛”に必死となって、国外からの侵入者を防ごうとする。バベルの塔の物語では、神は「塔」を粉々に壊しただけでなく、それまで共通だった世界中の言葉を“違わせ”意味不明にしてしまった。こうして、人類は、また“一から出直し”の状態に戻ったとされている。もちろん、この物語は一種の“たとえ”であって、人類が傲慢になると、神はそうやって“警告”を発するという寓話にすぎない。けれども、同時にそれは「どうすべきか」の示唆でもある。結局、みんなで力を合わせて…という世の中から「自国ファースト」という思想政治が世界にはびこりだした時から、この“崩壊”の警告は始まっていたのかもしれないのだ。そういう点で、国家も会社も関係なく、各国の優秀な研究者が集まって、最良の治療薬を早急に研究開発していくことが、今の製薬業界に課せられた使命なのだ。同じような観点から、私は“占い業界”も、もっと多くの研究者が、一つ一つのテーマに絞って、各自のデータや研究事例を持ち寄って、どうすればより的確に判断出来て、それぞれの人達に“最良の道”“幸運なる解決策”を示すことができるか、話し合いをすべきだと思うのだ。少なくとも“確実な観方”“判断の仕方”“改運させる処方箋”を見つけてあげなければならない。それは残念ながら「既存の占い」に十分ではない。そのこと自体をなぜ認めようとしないのだろう。「すべてが見通せます」的な“嘘”をなぜ許すのだろう。まだ、われわれは未知の領域の“入り口付近”で右往左往しているだけなのに、どうして「すべてが解ってます」的な発言を許すのだろう。どうして、私と同じような意見が「占い業界」からは出てこないのか。なぜ、私に賛同してくれる“有名占い師”は居ないのだろう。彼らはいったい何をほんとうに当てたのか。
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