昨夜、北見市内のインターネットカフェで、警察官の財布を盗んだ疑いで住所不定・派遣社員の男が逮捕された。財布を盗まれたのは28歳の女性巡査部長。財布の中には13000円。最近、この店では“置き引き”が多いということで、四人もの警察官が利用客を装って店内で張り込みをしていたらしい。一件、落着の事件なのだが、どうも釈然としない。私には、盗む方も、盗まれた方も、プロとしての意識が足りないのではないか、と思うのだ。もし、警察官が最初から自分たちの財布を“盗まれそうな場所”に置いたのだとしたら、プロの窃盗犯は“それ”を盗むだろうか。意図的に置いていると思えば、プロなら、そのモノには手を伸ばさないような気がするのだ。いつ盗まれたのか分からない、どこで盗まれたのか分からない、そう思わせるのが“プロ”だ。したがって、“盗んでくださいよ”では、捜査にならない。むしろ、本物ではない“出来心の人物”が盗んでしまう可能性さえある。だから、そういう捜査はやってはいけないのだ。もし、これが、そうではなくて“盗まれるはずがない”と思っていた巡査部長が盗まれたのだとしたら、それはもっと憂慮すべきことである。なぜなら“張り込み”の緊張感がなさすぎだからである。捕まえに行って、自分が盗まれてどうする。四人いたから良いようなもの、一人でいったなら、確実に“被害者”となっている。恥ずかしい。盗む方も、盗む方だ。どうして、警察官が来ていることを気付けないのか。そして“盗んではいけない相手”から盗むのか。警察官とか、裁判官とか、弁護士とか、刑務官とか、自分たちが“お世話になる人達”だけは、絶対に外さなければいけない。両方とも、もう少し「プロ」としての自覚を持たなければ…。
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