われわれ日本人はこと健康に関しては極めて過敏に反応する民族である。だから、連日「新型肺炎」のことが報道される。それもトップニュースとしてだ。ところが、現在3000万人もが感染していて、死者も12000人以上が出ているというのに、あまり大きな報道がないのがアメリカのインフルエンザについてだ。何しろ、自国のことなのに、なぜかアメリカではどのマスコミもほとんどそれを扱わない。別に、隠しているというわけでもない。要するに“普通の病気”という認識を持っていて、治療法も確立されているということで「ニュース」という捉え方をしていないように見える。だから、中国の「新型肺炎」に関しては日本ほどではなくても、連日報道している。われわれからすると奇妙なのだが、それが“ニュース”なのか“日常の出来事”なのかの違いなのだろう。ともかく、今年のアメリカは「インフルエンザ大国」なのだ。実質的には昨年11月から目立ち始め、今年1月後半になって急速に広がりだした。そういう意味では中国の“新型肺炎”の広がりと、どこか似ている。つまり、私がほんとうに言いたいのは、もしかすると「中国」の次に「アメリカ」が来るかもしれない、ということだ。私が前から言っている今年の特徴である「防ぎようのない自然災害」の連鎖だ。実はアメリカのインフルエンザの流行は“始まったばかり”かもしれないのだ。もし、そうなら、これからが本番で今はほとんど“無視”状態のアメリカのマスコミだが、やがて無視など出来ない状態へと“猛威を振るう”可能性があるのではないか。治療法が確立されていると言っても、12000人以上もの死者が出ていたのでは、悠長に構えてなどいられない。日本人も、今後アメリカに渡航・滞在する人は要注意なのだ。もっとも、そういう状態であっても、アメリカではマスクをしている人はごくごく少ない。多分、もっと流行してもしないはずだ。だから広がる時には一気に広がる。ただ中国の「新型肺炎」のような“強い感染力”ではない分だけ救いだ。なんと中国では既に医療関係者が1700人超もが感染してしまった。医学知識もあり、十分に注意しながら患者に接していたはずの人達である。それでも感染してしまうのだ。コロナウイルスの威力は凄まじい。さいわい、こういう時には日本人の注意深さや潔癖さが役立つ。国内の感染者に対して過剰な報道があるが、中国やアメリカに比べて、その数たるや微々たるものなのだ。両大国が、どちらも“自滅していかないよう”祈るばかりである。
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