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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


人間の持つ“イメージ”の違い


人間という“商売”を長くやっていると、誰でもその人の持っている“雰囲気・イメージ”のようなものが定着してくる。別に自分自身で作ろうとしたわけでもないのに…何故か不思議と徐々に“出来上がっていく”ものだ。

そういう点で「小沢一郎」も「朝青龍」も、或る意味で“クリーン”とは程遠いイメージが、いつの間にか一般の人達に出来上がってしまっている。だから、根掘り葉掘り書かれてあっても、彼らに同情する人は少ない。俗に「叩けば埃の出る身体」という諺がある。まさに彼らにはぴったりな表現で“不透明な決着”をしてしまったことが、かえってそのホコリを次から次に叩き出すチャンスを週刊誌などに与えてしまった…とも言える。人間に一度定着してしまったイメージというのは、そう簡単に拭いきれない。小沢一郎も、朝青龍も、自分がイメージで損をしていることは、百も承知していたはずだ。それなのに直し切れなかったのは“おごり”があったからだと私は思う。

一般大衆というものは“愚にして賢”で、一見愚かなように見えても、実はその奥に賢い部分を秘めているものなのだ。その本質の部分を二人とも見失ったもの…と見える。人間というのは弱いもので、強そうな二人ではあるが、所詮、一丸となった大衆には勝てない。じわじわと寄り切られていく…。不透明な決着の仕方が、より“ワルのイメージ”を定着させたことに、そしてそれが徐々に足を引っ張っていくことに、二人はまだ気づいていない。

この“イメージの定着”によって、どれほど多くの人が人生を変えられていった…だろうか。「余の辞書に不可能はない」と豪語したナポレオンだが、最終的には大衆を敵に回して島流しとなった。同じような形で、壇上から引き摺り下ろされていった人物は枚挙にいとまがない。タイガー・ウッズなど一夜にして“世の婦人たちを敵”に回してしまった。実はこの形で“人生を変えられてしまう”ケースが最も多い。もはや“イメージの回復”は不可能であろう。元々の“作り上げられたイメージ”というのが、マスメディアによる勝手な“思い込み”や“風評”や“喧伝”に過ぎないものだったとしても、いったん定着したイメージは、そこに“生命力”が与えられ、独りでロボットのように動き出し、実物でもあるかのように大衆の脳裏に定着してしまうのだ。

早い話が「寅さん」だ。我々はそれが「渥美清」という俳優による映画作品であることを知っている。知っているにも拘らず、我々のイメージする“渥美清のイメージ像”は映画「男はつらいよ」シリーズの“寅さんのような人物”しか思い浮かばない。渥美清は、優しいに違いない、情が厚いに違いない、惚れっぽいのに違いない、喧嘩っ早いに違いない、寂しいのに違いない…等と勝手なイメージを、重ね合わせてしまうのだ。それ以外のイメージを抱くことが出来ないのだ。

今回、笑福亭鶴瓶が「弟」を演じた。その映画自体も観ていないので、きちんとした批評は出来ない。ただ「鶴瓶」というタレントはTV出演が多い。したがって、そのTV番組の中でのイメージが定着している。だから、すんなりと物語のイメージと重ね合わせられない。もう一人の主人公役の吉永小百合だって、種々な映画によってイメージが定着している。“弟で苦労している”イメージはどうしてもわかない。不思議と「寅さんの妹=さくら」役の倍賞千恵子には“お兄ちゃんで苦労している”イメージが見事に重なっていた。家庭的な物語を映画化するのであれば、やはり“家庭的なイメージ”を“家庭・家族に関する苦労”を強く感じさせるような俳優を起用すべきだ。そうでないと、どんなに演技そのものがうまくても、所詮“映画の中の事”としか思えず、作品の中に入っていけない。

今ミステリー・チャンネルで再放送している「逃亡者」が、あれほど古い作品であるのにリアリティーがあるのは、一つには主演のデビッド・ジャンセンが“逃亡者のイメージ”とあまりにもぴったり重なるせいもある。あまりにも“はまり役”過ぎて、他の作品を見たとしても、多分、逃亡者のイメージは消せないと思うほどだ。そういう意味で言うなら、最近のTVドラマとしては「宿命」は中々に良いキャストをそろえている。特に小池栄子は現在“お金に苦労しているイメージ”があるだけに、役柄もまさにぴったりで、その演技自体も無理がなく、負けず嫌いさが出ていて大変に良い。やはり実生活とあまりに大きくかけ離れてしまうと、役柄だけが浮いてしまう。最近のTVドラマには視聴率のことを考えてなのか、お笑い系タレントが出演するケースが多い。見る側からすれば、それだけでドラマを壊してしまうケースもある。お笑いのイメージが強すぎ、シリアスな演技を行っても、ふざけているようにしか映らないからだ。日常の積み重ねが作り出す“無意識のイメージ”こそ、本人を映し出す魔法の鏡なのだ。

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