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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


古代と中世の「メッセンジャー」たち


水星探査機「メッセンジャー」が、アメリカのNASAからディスカバリー計画の一環として、現地時間8月3日午前2時16分に打ち上げられました。本当は前日の予定だったそうですが、気象条件の関係で1日遅れての出発となったようです。さて、この探査機が、実際に調査を開始するのは2011年3月からだそうで、なかなかに気の長い話です。

水星は、あまりに太陽に近すぎるので、昼間の温度は摂氏400度を超え、正に灼熱の世界です。この事実だけから考えると「水星」という名称は不似合いで、むしろ「火星」と呼びたいくらいです。ところが、夜になると一転、マイナス160度にもなるのです。したがって「火星」と呼ぶに相応しい惑星とも云えないのです。

水星はシュメールでは「ネボ」、バビロニアでは「グドゥド」と呼ばれ、アッカド語になると「ナブー」と呼ばれ、バビロンの近くのボルシッパが崇拝の中心地でした。文字・知恵・書記の神として信仰を集めていました。首都バビロンの主神はマルドゥーク神ですが、その子供として「ナブー神」は位置づけられていたようです。ちなみにラテン語では「メルクリウス」で、これが英語で「マーキュリー」と呼ばれる語源です。

さて、水星は、天文学的にも謎の多い天体とされていますが、元来が地球から見えにくい惑星で、古代人も水星には手を焼いていたらしく、地動説で知られるコペルニクスでさえ、死ぬまでに1度も見たことがなかった、とされています。

今日、実在する最古のバビロニア・ホロスコープ文書として知られる粘土板には「…木星はウオに、金星はオウシに、土星はカニに、火星はフタゴに、水星は沈んでいて見えず…」と、記されています。

水星が見えるのは、日没直後の西空低くに…又は日の出直前、東の地平線上に…限られているのです。このことが、中国において、水星の化身としての聖獣「玄武(亀と蛇との合体動物)」が地平線と関連付けられる北方位を定位置とし、黒を象徴色とし、季節は冬、時間帯は夜を支配する、としていたことの理由なのです。

「玄武」は、惑星として捉えるときには「辰星」と呼ばれて、常に太陽の近くにあって、時(時節)を告げてくれる星、として捉えられていたようです。

一方、バビロニアの方で「書記・知恵・文字の神」とされていたのはどうしてなのかと言うと、これまた太陽の常に近くにあって、丁度、当時の神王の書記官のような存在、とみなされていたからだと推定されます。

水星の観測に困っていたのは古代人だけではなく、占星術師プラキドゥスによるカルルⅤ世(1500年2月24日生まれ)のホロスコープ、数学者カルダーノ自身が作成した自ら(1501年9月24日生まれ)のホロスコープ、天文学者ケプラーによるヴァレンシュタイン将軍(1583年9月24日生まれ)のホロスコープ、そのいずれもが、水星位置の計算で手こずっています。他の惑星位置は、現代のコンピュータ計算とも大体符合しているのですが、水星だけが1度弱~6度弱ずれているからです。さすがにケプラーの計算は1度弱の狂いで、急接近してきています。そんなところにも、単なる宮廷お抱えの占星術師ではなかったケプラーの側面を見ることが出来そうです。ちなみに、ケプラー自身のホロスコープでは2度弱ほどずれていて、これは自分自身のホロスコープを先に作成したから、と思われます。

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