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タロットの秘密

大アルカナ「10」=運命の輪


ここに示した4種類のタロットカードは、いずれも古代エジプト文明を、その図柄デザインの中に取り入れているカードです。 ただし、私の秘密のカード解釈は、一般に知られているものとはその多くが異なり、まったく独自の古代エジプト文明解釈に裏打ちされており、 エジプト系カードを用いながら、原初タロットカードの真実の姿を皆様にお伝えしようとするものです。

THE WHEEL OF FORTUNE(運命の輪)

アンセント・タロット

アンセント・タロット

ネフェルタリー・タロット

ネフェルタリー・タロット

トート・タロット

トート・タロット

カラシマ・タロット

カラシマ・タロット

タロット解説

大アルカナカードの「10」に指定されているのが、一般に「運命の輪」の名称で知られているカードです。エジプト系カードにおいては、珍しく四枚とも図柄デザインが異なっており、共通するのは輪が描かれていることぐらいです。
エジプト系以外のカードにおいても、このカードの図柄はそれぞれに違っていて、共通性を見出すのはかなり難しいものです。20世紀に活躍したリガルディのタロットでは、上部に横向きのスフィンクス、中央部に輪、下部に跪いている犬頭の猿が描かれています。19世紀に活躍したウェイトのタロットでは、輪の上にスフィンクスが乗り、その左右に犬頭人身と、蛇とが描かれ、カードの四隅にはエゼキエル書の四生物が描かれています。18世紀に活躍したエッティラのタロットでは、王冠を被ったサルが木の枝の上に描かれ、輪に絡みつくような形で、下降していく人間と、上昇して行くネズミとが描かれています。17世紀に活躍したメイザースのタロットでは、輪の上方にスフィンクスが座し、輪に絡みつく形で上昇する側に犬が、下降する側に猿が描かれています。
最も、古い17世紀のカードに、解釈の秘密が隠されているようです。スフィンクスは、古代エジプトの新王国時代「ホル・エム・アケト」と呼ばれ「地平線上の太陽神」を意味していました。つまり、地平線上から上昇する朝日と、地平線下に沈んでいく夕日との象徴だったのです。さらに、エジプトにおけるもう一つのライオンの神「アケル」もまた、地平線を守る守護神でした。死後生命を信じる古代エジプトにおいて、雨の降らないエジプトにおいて、天空と地底とを循環し続ける太陽、その境界線としての地平線は重要でした。死者は、ミイラとなって、新たなる命を吹き込まれ、地平線下で蘇ります。その新たなる命を吹き込む役割は、山犬の神「アヌビス」と、イビスの神「トト」です。新たなる命を吹き込む儀式を「口開きの儀式」と呼びます。つまり、ミイラの口を開いて死後の命を吹き込む為の儀式です。
実際には、アヌビスの仮面をつけた神官と、トトの仮面をつけた神官とが、口開きの儀式を執り行います。死者であるオシリス神王の側近としてのアヌビス神と、生者であるホルス神王の側近としてのトト神と、この2神が、死者と生者の境界線で、ミイラに命を吹き込むのです。トト神は、通常イビス(アフリカクロトキ)で表現されるのですが、時としてヒヒによっても象徴されることがあります。メイザースのタロットで扱われている「猿」は、実際にはヒヒを描こうとしていたのだと思われます。口開きの儀式は、やがて形骸化し、ミイラだけではなく、彫像によっても執り行われるようになりました。古代エジプトの神王たちが、多数の等身大の彫像を持っているのは、この為なのです。意味もなく、等身大に作っているわけではないのです。万一、ミイラが盗まれたとしても、等身大の彫像に命が吹き込まれていれば、死後生命の本体である「カー」は、そこに宿ることが出来るからです。
ギザのクフ王のピラミッドにおいて、俗に「女王の間」と呼ばれている部屋には、壁面に彫像を安置させておくための窪みがあり、原初、そこに彫像が安置されていたことは間違いありません。この部屋からは2本のシャフトが延びていて、クフ王の時代、北シャフトは小熊座のベータ星、南シャフトはシリウスに向かっていました。口開きの儀式においては、牛の前脚と手斧が、ミイラや彫像の口に触れられました。牛の前脚は、古代エジプトでは北斗七星の象徴です。同時に、既に述べたように、古代エジプトでシリウスは、天空船に乗った子牛として表現されていたことは、注目すべき事実です。
実占において私は、タロットの生徒さんたちには、このカードを「運命の回り舞台」として、歌舞伎の世界で使われる回り舞台のようなものだ、と教えています。つまり、幸運と不運とが、入れ替わるよう仕組まれた人生の運勢舞台だと思うからです。これまで表舞台で活躍してきた人たちは裏舞台へと消え、代わりに、これまで裏舞台で苦労してきた人たちにスポットライトが当たる――そういう入れ替わりの時期を暗示したカードだと思うからです。
タロットカードは、まず最初、円を描くように回転させながらシャッフルします。「運命の輪」は、正に、この回転する人々の姿なのです。カードに描かれている人々は、時として擬人化されていることもありますが、基本的には、さまざまな人間の姿の風刺系です。人は、誰でも回転しながら、回り舞台の袖で、次の出番を待っているのかもしれません。

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