世の中には“若く”見える人もいれば、“老けて”見える人もいる。その“見え方”を気にする人は多い。元フジテレビアナウンサーの近藤サト氏(50歳)がTV番組の中で、昔は「若さにしがみついていた」と告白している。そのため比較的若い頃から“白髪染め”を用いてきたが、2年前から使わなくなった。もう“若さにしがみつく”のは止めようと思ったからだそうだ。確かにTVに出ている女性達は総じて若い。少なくとも“若く”見えるよう努力をしている。そういう人達が多い。ただすべての職業が“若く”見えれば良いかと言えば、そうでもない。私は20代から“プロ占い師”となったが、見掛け的には“若く”見えがちの方だった。ところが、占い師という職業は、外見的にあまり若いと“信用度”が乏しく見えがちな職業だ。だから、年齢よりも“若く”みられることが嫌だった。前にも書いたことがあるが、階段を上って顔を覗き見ただけで「なんだ、まだ若いな、修行が足りん」と初対面の老婆に言われたことがある。それこそ、まだ若かった私は、その言葉にムッと来た。「もし、修行が足りないと思うのなら帰ってください」私の言葉は意外だったらしく「まあ、せっかくだから、見てもらうか」と上目遣いに座り込んだ。ところが、見終わった時、その老婆は「わしの店で占いやらんか」と誘いかけて来たのだ。冗談じゃない。顔を視るなり「修行が足りん」といった奴のところになど行くものか。だが、今考えてみると、確かに、あの頃はまだ修行が足りなかった。あんなにムキになることもなかったのだ。とにかく、そういうわけで、若い頃、私は“若く”みられることが嫌だった。そういう私でも、50歳を過ぎるころからは“若く”みられるということに感謝するよう変わった。ただ最近は“記憶力の低下”や“体力の低下”など、年齢を感じることが多くなった。そういう意味で“若さ”は無条件にうらやましい。外見的な“若さ”も重要なのに違いないが、それよりも“頭脳の若さ”や“体力的な若さ”を心から欲する。少子高齢化で日本は誰もが「若さ」を求める時代となった。実際の年齢よりも、日常の中での“生活年齢”が若々しいことが重要になってきている。もし「若さ」が売られている“ネットショップ”が存在するなら、誰もが買い求めることだろう。ちなみにアマゾンで「若さ」が売られているか検索してみると、チベット体操の本、DNA核酸のサプリメント、若様侍の小説、美と若さをお金で買う方法などという“妖しいもの”が沢山出てきた。
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