2016年の「新語・流行語大賞」のノミネート30語が発表された。それらを一覧して、お笑い芸人などが流行らす“ギャグ的な言葉”がほとんど見当たらず、ニュースや週刊誌で使われた言葉、特に“世界の政治や経済”にまつわる言葉が多い。それだけ“笑えない一年”だったのだ。確かに「トランプ現象」「マイナス金利」「パナマ文書」「EU離脱」「民泊」など、どれも“今年を象徴する言葉”だ。今年の場合は「流行語」というより「注目語」と呼んだ方が良い。こういう言葉が頻繁に使用されたということは、それだけ世界が大きく動き出しているということで、その余波が我々庶民の生活にも及んでいることの証であるかもしれない。昔と違って、現代は“世界の動き”と“日本の生活”とが切り離されていなくて連動するようになっている。「日本だけ違います」とは言えなくなっているのだ。それが、こういう新たな言葉を日常に浸透させる原動力なのに違いない。島国である日本は、嫌でも世界的な歴史の動きを意識しながら、常に対応していくべきことを教えている“言葉達”なのだ。そうでなければ、われわれは良くても“子孫の世代”が孤立してしまう。よく日本が“世界の流れ”に飲み込まれることを嫌う人がいるが、もう完全に飲み込まれているのだから、その中で“いかに日本を大切にすべきか”考えるのが“賢い生き方”なのである。実際、世界の人達から見て、随所で“日本のすばらしさ”が再認識されつつある。そういう部分を、もっともっと世界に発信していくことが“使命として必要になりつつある”時代が始まったといえるかもしれない。
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