ロシアの東シベリアにウスチイリムスク市という小さな地方都市がある。そこで行われた「市長選挙」で、6歳の息子をシングルマザーで育てている28歳の無名女性が当選し、4月11日にその就任会見が行われた。プーチン大統領率いる与党「統一ロシア党」候補で前市議会議長を破った新市長アンナ・シェキナ氏だが、実は“政治世界”にはまったくの素人で誰もが予想外の市長誕生となった。どうして彼女が当選したのかというと、有力野党候補の出馬を認めなかった選挙管理委員会への批判票、そして現与党であるプーチン政権への不満票が一気に流れ込んだからである。つまり、それだけロシアの辺境では現プーチン政権への不満が爆発しているのだ。一番の問題は経済の低迷である。ヨーロッパとの関係がギクシャクし続けているからだ。30歳以下のロシアの若者たちを対象とした調査によると、その44%が本国を見限り“外国への移住”を希望している。その第一は地域的にも近いドイツ、その第二は経済的に反映しているアメリカ、そして、その第三位がなんと我が日本なのだ。したがって、今回の地方都市におけるシングルマザー市長の誕生も、切実な庶民の「反旗」が呼び起こしたものだといえる。これまで全く実務経験はないという新市長アンナ・シェキナ氏の顔貌は、けれども政治家として中々に良い相をしている。まず額が高く広い。異様なほど広く高い。これは「天から使命を授けられている人」の相であって、政治家になることは必然だったのかもしれない。女性には珍しく額の左右も広くて、社会的視野の広いことを表わしている。眉がクッキリとし、左右がやや非対称なのは、血縁的には名家でも家族関係は複雑な事情を反映している。しかし発言にぶれはなく、意志は強い。ただ眼がやや「三白眼」に近く、光彩が吊り上がり気味ではある。これは周囲に「敵」や「ライバル」が出現しやすく、足元をすくわれやすい相である。口唇が大きく、発言力が大きい相で、やがて市長として実績を積めば、地方政治に終わらない可能性もある。額が大きすぎるので「結婚生活での幸福は得られない相」だが、政治世界で飛翔することは十分に可能だ。
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