「single-blog2.php」* 有料カテゴリ:「過去の占いコラム」は一括2,000円で全て読むことが出来ます。// ざっくりとは終了 // Header画像を変更する事

過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


直塚松子さんの「死を見つめた手相術」


書店では見掛けたことのない手相の本が、セブンネットの書店で売られていたので購入してみた。実際の書名はやや長く『松子91歳、手相と一緒に「生きて」』という風変わりなものだった。しかも、その表紙には自身の両手が顔の前に拡げられていて、異様なインパクトがある。もっとも、この表紙だけだと何の本なのか判然としない。自叙伝のようにも思えるし、エッセイ集のようにも思える。或いは著者名に「直塚松子 杉山正己」と、もう一人の名が入っているので対談集のようにも思える。ところが本書の中身に二人の対談はない。多分、杉山氏は写真家・編集者なので、高齢の直塚さんに代わって“口述筆記”に近い形で本書を纏められたのだろう。

その中身は、直塚さんの自伝的生涯とその関連写真、それに続いて“手相の実例書”という構成だ。実は、私は過去に直塚さんが出版した手相の本を全部(四書)持っていた。いずれも実例書形式で、特に種々の病気の症例を実際の手型で紹介し、簡単な解説を加えている本だった。重複している実例もあったが、他の著者でこういう形式で手相書を出している方はいないので、大変に興味深く参考にもなった。もっとも、私はこれまで直塚さんをもっと若い方であると勘違いしていたし、日本在住の方であるとも勘違いしていた。だから、ネットの画面で本書の表紙を見たとき、最初、過去に読んだ本の著者であるとは思わなかった。どこかの飲食店の片隅で“手相を見続けてきたおばさん”の物語なのかな…と思ったくらいだ。そして、いったん、そのページから次のページに移行した。だが、私の本能が「待てよ」とページを後戻りさせた。よくよく著者名を見直すと「直塚松子」となっている。この印象的な名前は、あの手相家しかいない。改めてもう一度見直し、中身など確認せず、すぐにその本を注文した。多分、札幌の書店には配本されていないか、店頭に並べられることなく、返品されたような気がする。こういう地味で、一見、何の本なのか解かりづらい本は返品されやすいのだ。今回の本は、或る種“自伝的な内容”を含んでいるので、年齢的にも“集大成の記録”としての意味合いが強いのかもしれない。自伝的な物語は淡々と綴られているが、波瀾万丈で時代の波にほんろうされながらも逞しく生きていく女の物語となっている。

実例記録としての手相書の方は、特に「自殺者&自殺未遂者」及び「がん患者」の手型実例と、その解説を扱っている。正直に言えば、私は彼女の手相の観察・判断の仕方に、必ずしも全面的に同調してはいない。直塚松子さんの手相の観方には、一方的な思い込みの部分もあり、強引にこじつけている部分もある。したがって、彼女の手相の観方が誰にでも当てはまるのか…というと大いに疑問なのだ。けれども、そういうものを割り引いたとしても、世界各地を実際に歩き回って、中国やイギリスやドイツにも居住して、何万人もの多国籍の人間の手相を観察・鑑定してきた91年間の記録は、何よりも重みがあり、生な記録としての迫力がある。日本人の手相家として“世界に誇るべき人物”として、彼女の記録・研究を無駄にすることなく、少しでも後世に伝えていくことが我々としての使命と思う。

「ex-module-past-post-list-01.php」出力:single-post用の過去記事ループ処理

過去の記事一覧素顔のひとり言

  • 「大谷選手の故障」と「株価予測」が見事的中‼

    早いもので今年も“雪景色”の季節となった。そこで、今年一年の「波木星龍の占い予言」を振り返ることにする。私は別に、有名人の予言とか、社会的な予言とか、本当はそんなことはどうでも良い 続きを読む

  • 波木星龍の公的な「予言の的中率」

    占い師の評価というのは、必ずしも“的中率”にあるわけではないが、そうは言っても“どの程度的中しているのか”は、その評価の重要なポイントであるには違いない。よく“口コミ”と言われる“ 続きを読む

  • 自らが創り出す「未来」

    占星学や推命学の研究者の中には“先天的な運命”を動かしがたいものとして、本人の“意志”とか“選択”とか“努力”などを認めないような判断の仕方をされている方が多い。私自身も占星学や推 続きを読む

  • あまりにもお粗末な「ツタンカーメン」番組

    こういう番組をどう捉えれば良いのだろう。制作サイドは日本の視聴者をあまりにも軽んじすぎているのではないだろうか。7月18日のTBS古代エジプト世紀の大発見プロジェクト「ツタンカーメ 続きを読む

  • 日進月歩で「後退していく」占いの世界

    世の中、日進月歩で進んでいくものが多い中で、まるで“後退りしている”ような世界が「占いの世界」だといってもよい。どうして後退りなのか、ここ20年ほど「新たな研究」「新たな学説」「新 続きを読む

  • 人は“さまよいながら”生きていく

    人間社会は「勘違い」で成り立っている。例えば、私は“書きもの”などでは何でも明確に“ズバズバ書く”ので、現実にもさぞかし「即断即決の人」「迷いのない人」「怖い人」であるかのよう誤解 続きを読む

  • 「パスワード」という魔物

    私は元々が“IT型の人間”ではないので、日頃から“IT関連のもの”は苦手である。その中でも一番厄介なのが「パスワード」で、あらゆる場合にこの部分で躓いてしまう。何故、もう少し簡単に 続きを読む

  • 占い依頼者との「距離」について

    当然のことながら、占い師は常に何らかの悩みや問題を抱えた相談者や依頼者と相対して仕事を行っている。初めての依頼者もいるが、その多くは過去に“占っている方”で、いわば“常連さん”に属 続きを読む

  • 「使命感」の持っている美しさ

    どのような世界であっても「使命感」の中で生きている人達は、それぞれに“美しい”ものです。もちろん、これは外見的なことではなくて、“生き方としての美しさ”です。その人なりが滲み出てく 続きを読む

  • 日本人であるということ

    今年は正月から週刊誌が飛びつきそうな話題やネタが矢継ぎ早に飛び出している。「ベッキー不倫騒動」があり「スマップ独立失敗」があり「甘利金銭疑惑」があり「宮崎育児不倫」があり「清原覚せ 続きを読む