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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


裁く者と裁かれる者


札幌弁護士会の副会長が覚せい剤所持で逮捕された。酒井法子が保釈され、覚せい剤事件に世間の注目が集まっている中で、またしても「裁く側と云える法律家」の逮捕劇だった。

最近は警察官がひき逃げ事件を起こすとか、自衛官や銀行員が個人情報を売買するとか、教師が小学生にわいせつ行為に及ぶとか、母親が我が児を虐待死させるとか…本末転倒とも云うべき事件が多い。いったい誰を信用して良いか、分からない世の中となっている。そういう中で「裁判員制度」がスタートしている。

国民の多くが裁判の行方に対して、その意思を反映させられるようにスタートした制度だった。しかも、そのPR映画に出演していたのが酒井法子だった。世間の人々が事件に注目し、その民意を反映させたいと云う意思を表した裁判はいくつもある。かなり古いが総理大臣であった田中角栄が関わったロッキード事件、永遠に謎となってしまった三浦和義のロス疑惑事件、今も争われ続けている麻原彰晃を始めとしたオウム真理教事件……自分には直接的な関わりがなくても、その事件性から国民の関心が高く、裁判の行方に注目が集まるケースは多い。

裁判員制度のスタートによって、プロである裁判官自身も新たな視点で事件を捉えることが可能となるかもしれない。灯台もと暗しで、案外素人の方が気がつくことも多いはずだからだ。私などでも、プロの占い師となって長いが、占いの貴重な研究や発見はプロになってからよりもセミプロ時代に培ったものの方が多い。素人でもマニアックな研究者の中には我々をはるかにしのぐような占いの知識や独自の研究を持っている方も少なくないはずだ。ただ実践的な裏付けを欠いている研究も多い。ぜひ、そういう方は我々に対して研究成果を示してほしい。それが占いと云うものを新しい未来を拓く鍵であると思っているからだ。もっとも、占いはそうかもしれないが、裁判も同じように捉えて良いかどうかは疑問の部分もある。基礎的な法律知識を欠いたままプロと同等な場に臨むことへの疑問だ。巧みな弁護士なら、一般感情を逆手にとって弁護して心証を良くすることだって可能かもしれないからだ。

人が人を裁けるのか…に対しては古来から種々な議論があった。たとえば歴史としての「政治犯イエスの法廷」がある。キリスト教の祖として死後に神格化されたイエスだが、当時は「民衆を扇動した政治犯」として捕まり、人民裁判のような形で「十字架刑」として裁かれたのだった。重い木枠としての十字架を背負わされた姿で市中を引き回されたのち、広場で張り付けとなる。それが当時の習わしだった。張り付けとなったイエスは、旧約聖書の「詩篇」を唱え続けていたらしい。「わが神、わが神、どうして私をお見捨てになったのですか…」と云う一節がイエスの口から発せられた。そして、奇跡など起こることもなく、ひっそりと亡くなって行った。これが歴史としての真実なのだ。

同じように十字架として張り付けられ、波にのみ込まれていったのは江戸時代・長崎の「隠れキリシタン」達だった。長崎の隠れキリシタン達は、イエスではなく、母マリアに対して熱烈な信仰を持っていたらしい。だからこそ「踏み絵」が功を奏したのだ。聖母の顔を踏みつけることは出来ない。名もなく、貧しい信徒たちは「聖母マリア」に抱かれることを信じて波にのみ込まれていったのだった。島原の乱では、信徒たちの首は「見せしめ」のため路上両側にさらされたという。

このようなことを書いたからと云って、私はキリスト教徒なのではない。ただ、海外の教会やモスクや寺院を訪れるたび、現代日本には乏しい真摯な信仰心、思想などと云ったものを超えた剥き出しの信仰心を感じとることが多い。

もちろん、社会に秩序は必要であり、法を犯すものは裁かれなければならない。特に覚せい剤のような周囲をも巻き込んで修羅場を生み出す元凶は断たなければならない。暴力団の資金源とも云われる覚せい剤は、どうすれば元を断つことが出来るのか、新しい政権の厚生大臣は年金問題だけでなく、薬物問題にもぜひ本腰を入れて欲しいものだ。

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