素顔のひとり言

1年の区切りと年運について

この時期に来ると誰もが今年一年を振り返る。良い年だったとか、悪い年だったとか、当然のように口にする。人々のあいさつも「今年はお世話になりました」とか「来年もよろしく」と言う。年末なのだから当たり前だと言われそうだが、不意に疑問が頭をかすめる。どうして年末なのだろう。

確かにカレンダーは最後の月を示していて、日にちもあと少しで12月が終わる。13月がないのだから、一年の終わりは当たり前だ。しかし…と、不思議に思うもう一人の私がいる。現在われわれが使用している暦は太陽暦で、一年を365日(厳密には+0.242…日だったか?)に定め、毎年その日数で循環している。したがって12月の次は1月で“新たな年”の12か月が始まる。それは確かにそうなのだが、自然科学的な分割をするなら、それこそ「冬至」となる12月22日付近を年末にすることも「立春」となる節分の日を年末にすることも、或いは太陰太陽暦上の12月30日を年末とすることもできたはずだ。実際、いまだに東洋占術の多くは“立春年初説”を採用しているし、中華系の国では国家的にもそういう捉え方をしていたりする。

日本では確か明治6年に旧暦が廃止され、現在用いている太陽暦に切り替えられて欧米諸国と同じように12月31日が年末となり、太陽暦の正月元日から1年が開始されるスタイルが定着している。ちなみにアラビア地域の多くの国は宗教上の理由で完全な太陰暦による12か月を採用しており、一年の区切りは毎年季節が変化するスタイルだ。また西洋占星術では1年の起点を黄経0度を太陽が通過する「春分」を“年運”切り替えのポイントと見ている。

それぞれ慣習としての一年の区切りなのだが、世界的にみると一様ではないということだ。だから、必ずしも12月31日で“運気が切り替わる”とも思えないのだが、不思議と私たちは体感的にこの区切りを「年運」の区切りとして何となく受け入れている。つまり毎年、運勢的な違いのようなものを何となく感じていて、その切り替わり時として太陽暦による12月末日を受け入れているように見える。実は俗に「旧暦」と呼ばれた太陰太陽暦では季節の調節が行われるため、アラビア地方のような移動はなく大体太陽暦の12月から翌年2月初めくらいまでの間に正月元日が迎えられるようになっている。そういう意味では明治6年以前も、日本では極端な季節の違いなく正月が来ていた…ということになる。東洋系の占術の多くは太陽暦上2月4日前後となる立春を、その年の元日として運気の切り替えとしている場合が多い。実はすべての東洋系占術がそうなのではなく、一部「冬至」から切り替える方位占術もあれば、太陰太陽暦による1月1日を採用している紫微斗数のような占術もある。さらに、一部研究者は年運の切り換わり時として正月の節入り時(通常1月6日前後)を主張している。実は私もこの考え方に賛成で、運気の切り換わり時としての年初は正月の節入り「小寒」1月6日前後を用いるべきだ…という考えに傾いている。なぜかというと、すでに1月の段階から様々な“その年としての出来事”は始まっていて、どう考えても「立春」からではないからである。東洋占術の多くが“立春年初”とするのは五行思想が背景にあるからで、一年を「春→夏→秋→冬」の順とし、その春季の起点である「立春」をスタートラインと見立てているからなのである。

私はあくまでも実際の諸現象から考えて、1月からすでに“新たな運気”はスタートを切っている…という捉え方であり、理論的には日照時間が一年で最も短い冬至を過ぎて初めての節入りとなる「小寒」が“一年の起点”にふさわしいと考える。云ってみれば冬至から小寒までは“運気の切り換わり時”で、本当の翌年の運気は正月の節入りから開始される―という捉え方なのだ。そういう意味では1月6日前後からの“新たなる出来事”は、その年の行方を占う意味で極めて重要なのだ。ぜひ良い“正月休み後”を迎えていただきたい。


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