6月, 2016年

「勝者」なき闘い

2016-06-05

かつてのプロボクシング世界ヘビー級選手権者だったモハメド・アリ氏が亡くなった。今から40年前、当時、人気・実力とも絶頂期だったNWF世界ヘビー級選手権者だったアントニオ・猪木氏は「プロレスラーとプロボクサーの世界王者同士の対決」を企画し、日本で実行した。リングサイド席が10万円という現在でも高額の料金だったが、あっという間に完売していた。両者は、開催直前までルールで折り合わず、アリ側は帰国作戦で揺さぶった。結局、プロレスラーにとっては極めて不利なルールを猪木側は飲まなければならなかった。ただ“現役の世界チャンピョン同士”ということで、実況中継が世界の隅々まで流された。それによって“世界的名声”を得たのは猪木氏の方だった。けれども試合そのものは実に“つまらない”ものとなった。プロレス技の多くを禁止された猪木はボクシングと似たようなスタイルで闘うしかなく、アリは捕まえられることを恐れて距離を取った。結果、どちらも“睨み合う”試合スタイルとなり、時折、猪木が“足蹴りを入れる”だけの試合となった。結局、最後までそれだけだった。激しい試合を期待していたファンは納得せず、ブーイングの嵐となった。当時の猪木は酷評された。“引き分け”たのだが、“負けた”ような風評であった。ただ「アリと引き分けたサムライ」として、その後の猪木氏は世界的名声を得た。政治の世界に入って後、その看板は役立った。海外における知名度は“顎の長さ”のように抜群だった。実際、猪木氏は怖いものなしで世界に赴き、いつも“金と女にだけ弱く”跪くのだが、それ以外では最強に強かった。一方のアリ氏は、後年パーキンソン病を患うなど身動きもならなくなって、チャンピョンの面影はなくなったが「人種差別と闘った勇者」として評価され続けた。あの試合のように、人生というリングに“本当の勝者”はいない。

山のような疑問と「沈黙」

2016-06-04

行方不明になっていた7歳の男児が無事発見された。それ自体は大変喜ばしいことで、本当に良かった。ただ謎が多すぎる。私は別なブログで不明が報道された日に、すぐ易占で占い「火天大有の三爻変」を得て「無事に元気で発見される」旨記した。ただもっと早く、消えた近辺の窪地か、或いは“女性に保護されているところ”を発見されるのではないか、と予想していた。いずれにしても“無事で元気な姿”で発見されるもの、と判断していた。したがって、予想は的中とは言えないが、無事であったという点では一応正しい判断をした。ただ、どうも釈然としない。本当に少年は、その日のうちに小屋にたどり着き、そこで7日間も過ごしたのであろうか。まず、警察犬が少年の匂いを嗅いで動きを追えなかった。なぜだ。発見場所まで大人の足で歩いて3時間半から4時間かかる距離であるという。そうすると7歳の少年なら5時間弱はかかるだろう。置き去りにされたのは午後5時過ぎである。つまり発見場所にたどり着くと夜10時近くになる。山道で照明もない。その目的地を知っているなら、寄り道せずに歩き続けられるが、初めての場所だ。しかも暗い夜道だ。地形からいって登り道となる。灯りがなければ建物自体が発見しにくい。柵もある。暗い中で、柵から潜りもめる場所を発見できるだろうか。鍵のかかっていない扉を探すのも大変だ。四か所のうち三か所は施錠されていたのだ。例えば初日はそうだったとして、翌日、黙って、その小屋の中に居続けるであろうか。水しかないのに…。夜は真っ暗なのに…。毛布もないのに…。真っ暗な中を歩き続けてたどり着いたはずなのに、かすり傷程度、発見時に立っていて、普通に会話できたということ…大人でも、7日間飲まず食わずであれば衰弱し、立ってはいられない。生命力の強い子であることは、その人相から判断できる。それは、そうなのだが…。

豊かさの証明「雑誌のある生活」

2016-06-03

雑誌の売り上げが落ちているらしい。昨年度の売り上げ集計が出て、前年比で約10%の落ち込みらしい。32年ぶりに書籍の売り上げを下回ったという。中でも落ち込んだのが女性ファッション誌で前年比で約12%減。最大の理由は休刊誌が相次いだことで、30年間続いた『ピチレモン』、26年間続いた『キューティ』などが休刊となった。雑誌の休刊は、通常、売れなくなったからだと思われがちだが、実際には売れなくても継続している雑誌はたくさんある。一定の“広告収入”があれば、雑誌というのは継続していけるからだ。つまり雑誌の休刊は、売り上げ部数そのものより“広告の取れる取れない”が大きいのだ。それだけ女性誌に広告が出されなくなった。バブル期に発刊された雑誌が多いので、当然といえば当然かもしれない。経済が低迷する中で、懐具合に敏感な女性たちは、無意味な内容も付随する雑誌からではなく、お金のかからないネットなどの媒体から情報を得るよう変化してきている。けれども海外の書店を訪れて感じるのは、自国の雑誌を“多数並べている国”は意外なほど少ないということだ。特に公用語が英語圏の国では、世界的に有名な雑誌だけを並べて、自国の雑誌は片隅に追いやられているケースも珍しくない。雑誌は“その国の文化”なのだ。台湾、香港、タイなどでは“日本の雑誌”も多い。実際、日本の雑誌は、緻密な誌面構成など世界的に見てもレベルが高い。おそらく経済が豊かになれば、もう一度、どの女性の部屋にも「雑誌のある生活」を取り戻すことができるに違いない。

時代は「後ろ向きに進んでいる」のだろうか

2016-06-02

こういう事件の報道を読むたび、何とも言えない“哀しさ”を覚える。パキスタンで学校の校長が自分の息子からの求婚をけった女性を捕まえ、集団暴行し、“生きたまま火あぶりにした”というのだ。しかも、その女性は自分の学校に勤めていた元女教師であったという。まだ19歳の女教師が、校長の息子からの求婚を拒否したのにはもっともな理由がある。その息子は離婚経験があり、年齢も倍以上離れていた、というのだ。あまりのしつこさに彼女は辞職までしている。通常なら、そこで諦めそうなものである。ところが、そのあとで集団により監禁・暴行して、最期は“生きたまま火あぶり”というのは、もう“異常”としか言いようがない。しかも、それが“学校の校長”なのだから、どうしようもない。近年、信仰心の強い国家で“この種”の報道が多い。つい最近もインドで、10代の少女が集団レイプを受け、最期は“自殺に見せかけ”木に吊るされた姿で発見される、という痛ましい事件が起こった。「何百年も前は、そういう時代だった」というのであれば、それはそれで理解できないこともない。ところが、この種の“理解しがたい犯罪”は、現代の事件なのだ。しかも、信仰心の強い国で起こっているケースが多い。インドなどはITの先進国ではないか。経済面ではどこよりも成長している。その成長が性欲にまで及んでいるのか、近年は“性欲絡みの犯罪”が多発している。もしかすると、インドの結婚が“90%以上”お見合いで決まることと無関係ではないかもしれない。男女の交際に“未成熟すぎる”のだ。ITの国なのだから、もう少し“性欲”も、IT機器?で抑えるべきだ。

2016年6月の運勢

2016-06-01

消えた5億7000万の行方

2016-06-01

このところ「振り込め詐欺」に関するニュースが減ったと嬉しく感じていたが、必ずしもそうではなかった。個人としては最高額となる「5億7000万円」の被害額が“特殊詐欺”で生まれていたのだ。80代の女性が20数回にもわたって“郵送する形”で詐欺グループに金を渡した。その合計額が5億7000万なのだ。ここで注目すべきは「おれおれ」ではなかったということ。「金融庁」などを語っているのだ。そういうところから電話が入って「管財人に預けなさい」とういう、いかにも“金持ち”が引っ掛かりそうなところを示唆して郵送させている。つまり、“おれおれ”でも“振り込め”でもなかった。危険なところから守ってくれそうな“金融庁”や“管財人”だった。だから、信用してしまったのだろう。それにしても独り暮らしの80代の女性が5億7000万もの大金を所有していたこと自体、われわれは驚く。それを察知し、金融庁や管財人で“仕掛けてきた”詐欺グループの巧妙さにも驚く。もちろん、こういう金額は詐欺グループから“危ないところ”へと吸い上げられる。“堅い人生”を歩んできた独り暮らしの老人たちが狙われ続ける。庶民は“お金持ちの独り暮らし”に対して、なぜか“やさしくない”ことが多い。ぎりぎりで生活している人たちからすれば“無駄なお金”に思えるからだろうか。「お金」は無さ過ぎても犯罪を引き起こすが、有り過ぎても犯罪に巻き込まれる。1400兆円ともいわれる“眠っているお金”は、安らかに眠れない。

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