11月, 2016年

「車で徘徊」が流行りだしそうな…

2016-11-05

最近、お年寄りが運転しての事故が多い。記憶に新しいところでは、横浜で小学生たちが登校中の列に軽トラックが猛スピードで突入し、小学1年生の男児が死亡した事故がある。その事故を起こした容疑者が87歳の男性なのだが、前日の朝に自宅を出発し、その後自宅に戻らず、やみくもにあちこち走行し続け、最終的に登校児童たちの列に突っ込んだらしいことが判明した。その間、二回給油しているのだが、本人には確かな記憶がなく「車で徘徊中だった」らしいことが裏付けられつつある。近年、80代、90代でも車を運転し続けている人たちは多い。若い時から運転し続けているので、多分、習慣として車で出かけ、出掛けるときには運転する、というスタイルが定着しているからだろう。そのこと自体を責めることは難しいが、年齢が進んで記憶力も反射神経も判断力も年々衰えていく。近年、高齢者が引き起こす車の事故、それも人身事故が多発している。これまでは一般的に、反射神経が鈍くなってきたことが原因の事故だと捉えてきた。この事故が教えようとしているのは“もう一つの可能性”で、本人や周囲が自覚しているかどうかは疑問だが、“車で徘徊する認知症”の高齢者が出て来始めたという危険性だ。おそらく、これは特異なケースなのではない。今後、増えていく可能性が高い“象徴的なケース”なのに違いない。独り暮らしの高齢者が多くなってきている現在、周囲との付き合いがそれほどなければ、誰も“認知症の到来”を発見できない。本人は「少しボケて来たのかなぁ」程度の自覚しかない。実際、本当の“認知症”と“高齢がもたらす諸症状”とは紙一重である。私だって記憶力はとみに衰え、60代に入って体力や気力も急速に失われつつある。今後、ますます高齢者が増えていく以上「車での徘徊」が流行りだす兆しだけは、何としても防がなければならない。

「戦力外」からの“新たな人生”

2016-11-04

何かと派手な話題ばかりが注目される“プロスポーツの世界”だが、実際にはプロとして十分に活躍できないまま「戦力外」の通告を受ける人たちも多い。プロ野球では今年“113人が戦力外”の通告を受けた。つまり、来年からは契約を結びません、という球団からの連絡である。早い話が“リストラ”である。しかもプロ野球選手の場合、入団2~3年目でもその可能性がある。二十代前半でリストラされてしまう可能性があるのだ。そのあとの人生が長い。しかも、それまで“野球一筋”で生きて来たような選手が多い。プロになることができて喜んだのも束の間、戦力外となったその日から“出遅れた就活”が始まるのだ。そういう意味では、一流企業から“プロ指名”を受けたその日から、実際には“苦難の人生”が始まっていく人たちもいる。プロ指名を受けるくらいだから、そこそこの力量や技術は当然持っている。地元では活躍していた選手なのだ。そういうケースは何も“プロスポーツ選手”にかぎらない。通常の企業でも、入社できたその時点では“特別な差”は存在していないのだ。それなのに、何年か経過すると、明らかに差が生まれる。中には早期に“自主退職”する人もいれば“早期リストラ”の対象となる人もいる。但し、そういう人たちが、すべて能力がないのかと言えば決してそうではない。むしろ、素晴らしい素質や能力を秘めていることも多いのだ。プロ野球・横浜やオリックス球団で何年かプレーした選手に水尾嘉孝氏がいる。彼の場合、肘痛や腰痛が出てきたせいもあって、比較的早期に引退した。その後、一からの“出直し”を誓って、十年計画でイタリア料理の世界に入門、技術を身に着けていった。そして現在、東京・自由が丘でオーナーシェフとして店を構えている。どのような世界でも、そこだけに「人生」があるわけではない。大きな挫折は“人間的魅力”を生む原水なのだ。その世界だけにこだわりすぎると、せっかくの“新たなる世界”を目隠ししてしまう危険もあると知っておきたい。

2016年11月の運勢

2016-11-03

「未来」を救うか「今」を救うか

2016-11-03

来日しているミャンマー・スーチー政権に対し、安倍政権は官民合わせて8000億円規模の支援を行うことを表明した。すごい金額だ。最近、東南アジアへの支援は加速している。思い出すだけでもフィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシアなど矢継ぎ早に支援を表明している。これらは安倍政権が掲げる「未来投資」としての支援である。確かに、近年は中国や韓国から東南アジアへの進出や影響力が急速に強まっている。将来の日本の経済や発展を考えるとき、東南アジアとの関係はゆるがせにできないのだ。中国の南シナ海問題もある。日本の将来を考えた時、東南アジア各国との関係は欠かすことができない地域で、それは単に“経済”の面だけでなく、介護スタッフなどの人材や“平和の維持”という観点からも重要性が増している。したがって、さまざまな意味で「未来投資」は20年後、50年後を見据えた時に必要なのである。けれども、その一方で今現在の“日本の現状”がある。近年、日本の子供たちの貧困率が進んでいる。一つには、若いシングルマザーが急速に増えてきたからだ。6人に一人の子供が“貧困”という異常事態に入りつつある。こちらの方の支援は今一つ進まない。実は、一番の問題は“子供たちの格差”がじわじわ広がっている点にある。例えば、私が幼い頃、私は紛れもなく“貧困の子”だったが、町全体に“そういう子”はあふれていた。確かに“金持ちの子”もいたが、少数だった。日本全体がそうであって、高度成長の階段にようやく足をかけた頃であった。人情味あふれた人達が沢山いて、貧しい子供たちには“おやつ”をくれたりもした。今はそうではない。“貧困の子”は6人に一人だが、それ以外の子の内、4人は“普通の子”であり、一人が“金持ちの子”というような図式であろう。つまり、“普通の子”のレベルが、あのころとは違うのだ。歴然と隔たりがあるのだ。この「今」を救うのも政治の役割である。“貧困の子”が首相にならないと、この点は改善されないかも…。

多様性を認めない社会

2016-11-02

アメリカで11歳の少女ベサニーさんが親友に「もうこれ以上耐えられない」との伝言を遺してピストル自殺した。学校で連日のように“イジメ”が続いていたのだ。彼女は周囲に黙っていたのではなく、その二日前にも校長にそれを相談していた。3歳の時、脳腫瘍を患い、その治療で顔の神経にまひが残り、笑うと表情がゆがむことが“イジメ”の対象となった。近年のアメリカでは日本と同じように“イジメ問題”が深刻化していた。かつて、世界でもっとも“寛容な国”でヒューマニティーにも富んでいると思われていたアメリカだが、ここ数年、経済格差や教育格差の増大によって、さまざまな対立構造が生まれている。その延長線上に、日本とはまた違った“イジメ問題”の深刻さがある。元々が“移民の国”であったはずのアメリカだが、今や大統領候補トランプ氏に代表されるように“白人優位社会”を取り戻そうとする人々も多くなった。雑多な人種・民族の“自由な国”だとみなされてきたアメリカだが、それが揺らぎつつあるのだ。この傾向はアメリカだけの問題ではない。イギリスがEUから離脱したのも、結局は“グローバリズム”を嫌う人たちが多いからだ。日本でも近年は“みんな一緒”でなければ許さないような風潮がそこかしこで見られる。特に幼稚園や小学校の“子供社会”でそれが著しい。それが“イジメ”を助長していることに、多くの人達は気付いていない。むしろ、それが“みんな仲良く”につながるものだと錯覚している。みんなと“違ったって良いんだよ”という風な教育の仕方をしないと、決して“イジメ”はなくならない。今後、在日外国人が増えていく社会が予想される中で、子供たちの意識を“みんな一緒に”から“違って良いんだよ”に変えないと、悪意なき“イジメ”が横行するだろう。

「麻央」と「海老蔵」の舞台

2016-11-01

市川海老蔵氏の夫人である小林麻央さんが「乳がん」であることが公表されてかなり経った。それからしばらくして、麻央さんは「闘病記」ともいうべき“ブログ”を立ち上げた。それはかつて“ニュース番組”を担当していた者らしい情報発信の仕方だった。今後マスコミから追われる可能性がある夫を“逃れさせる手段”を兼ねているかのような情報発信でもあった。海老蔵自身も、自らのブログの中でさりげなく“麻央さんを語る”ことがあった。独身時代、さまざまな女性と浮名を流した海老蔵氏だが、結婚し、自らが暴行事件に巻き込まれて瀕死の重傷を負い、父親を喪い、子供たちが産まれ、妻が“病床に伏す”形となって「家庭の人」に変わった。同じような形をミュージシャンの小室哲哉氏に見る。大きな借金を背負い、妻が“病床に伏す”形となって、かつて浮名を流していた小室氏は「家庭の人」に変わった。男は、奇妙なことに妻が“病床に伏す”と浮気が出来なくなる。私自身も、現在“妻が病床にある”ので、その心理は良く分かる。海老蔵氏の場合、歌舞伎座そのものが新しくなって「歌舞伎」そのものが世界から注目を集めるようになって、歌舞伎界を背負わねばならない意識がアスリートのように強まっている。気楽な気持ちで立ち上げたブログの注目度も高いため、嫌でも“弱音などはいて”いられないのだ。さらに後継者となるに違いない息子が徐々に成長し、その背中を見つめている。麻央夫人の病状は深刻だが、意外なほど“気丈な妻”は弱音を吐いていない。そのブログは今や歌舞伎座のように多くの視線を集めながら、回り舞台の袖で衣裳替えをしながら次のステージに登ろうとしている。海老蔵氏にとって、今や「舞台」は、妻や息子の“眼”に焼き付かせるうえでも重要なものとなりつつある。

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