素顔のひとり言

30年以上前の「幻視」が意味するもの

私がエドガー・ケーシーと云う人物に興味を持ったのは、その驚くべき特殊(幻視)能力の持ち主が、眠ったまま催眠状態においてのみ能力を発揮する―と云うことを知ってからであった。しかも彼は自分自身の病気が基になって、この特異な能力に目覚めた―と云う部分にも興味をそそられた。もう30年以上も前、私が一時的にピラミッド研究にのめり込んでいた過程で“特異な仮説”を提唱している人物の一人としてケーシーは登場した。彼の“ピラミッド建造仮説”には種々な点で無理があり、信じることは出来なかったが、何故にこのような仮説を主張するのか、その興味から彼の生い立ちや人生を調べたのだ。

彼の特殊能力は、確か声が出なくなった自らの病気の原因とその治療法を、催眠下の中で語り始めたところからスタートしている。つまり、たまたま催眠療法を行っていた人物を知って、自分もその療法を受けようとしたのだが、実際には催眠下で自ら処方箋を示し、それをそのまま実行してみるとたちどころに回復してしまった。それまで通常の催眠療法を行ってきた医師は、ケーシーが催眠状態の中で述べた処方箋が実際の医学的知識に基づく内容だったため、もしかしたら他の患者達の治療にも効果があるのではないかと思い、試してみたところことごとく的を得ていたため、本格的にケーシーと二人三脚で種々な患者達の相談を受けるようになったのだ。それが評判となって、各地から原因不明の病気とか、治療困難とされてきた患者達からの依頼が増え、遠方の患者でも催眠状態の中では診断が可能であったため、あっという間に有名になってしまった。

私の記憶が正しいなら、最初の内、ケーシーの“催眠下診断”は病気に限られていたのだが、やがてその病気の原因に「過去世」に基づくものが出て来て、その過去世の中にきわめて信憑性あるものもあったため、一気に“前世を語る透視能力者”に祭り上げられてしまった。こうして「超能力者エドガー・ケーシー」「眠れる予言者エドガー・ケーシー」のキャッチフレーズが独り歩きし出したのである。

実はこのエドガー・ケーシーの“催眠下幻視”の中に、興味深いものがいくつかある。その一つは“ニューヨークの9.11事件”を幻視していたのではないかと思える予言と、昨年の“東日本大震災”を幻視していたのではないかと思える予言が含まれているのだ。彼は幻視の中で、ビルが崩壊し瓦礫の山となって煙の立ちこめる中で、ここはどこですか?と尋ねて、ニューヨークだ!と教えられる。また日本の未来を幻視する中で、日本列島の形が変って東北の海岸部が水没していく姿を見たと語っていた。本人は比較的若くして亡くなったので、真実だったのかは確かめようがない。それに、これらの幻視は30年以上、もしかしたら40年近く前の記述なのだ。私はその当時、ケーシーのこれらの記録を読んでも、正直現実のものとして受け止められなかった。幻視の内容が多少あいまいだったこともあり“よくある予知・予言”の類くらいに思っていた。ただ今にして思えば“未来の映像”としての幻視であるなら、記録映画や夢の中の映像と同じように見えていたはずで、或る種あいまいさが伴うのは致し方がない。

私が問題にしたいのは、本当に未来と云うのは、30年も40年も前から“或る種決定づけられている部分”があって、それが台本通りにやって来るものなのか、それとも実際にはいくらでも変更可能な筋書きではあるが、その一部のみは“決定事項”として早期に組み込まれているものなのか、元々そんな“決定的未来”等はなく、あくまで偶然の一致に過ぎない現象であったのか―どの答えが正しいのか、正直、解かりかねることである。

私自身も、若い頃はよく“幻視”を見た。例えばまだ会社勤めをしていた頃、私は会社の窓を見ながら、その窓が真っ赤になって炎の海のように変わり、哀しくもないのに涙が流れだしたことがある。実はその時間、私の家が貰い火によって全焼していたのである。後になって電話で知らされたが、不思議に涙は出なかった。父親が亡くなるに2週間ほど前にも、その年に始めて会ったのだが、後ろから背中を見た瞬間、その後ろ姿が極端に小さくなった。一寸法師のように小さく見えたのだ。えっ!と言葉が出た時には元に戻っていたが、何故小さく見えたのか、その時には解からなかった。帰りがけ、私は気になって父親と暮らしている兄に父のことを尋ねたが、別に変りはないという。取り越し苦労か…と思ったが、そうではなかった。

もちろん私の身近な幻視など、ケーシーのようなスケールの大きな幻視に比べようもないが、ただ“幻視”と云うものの本質を知る上では、似たような面が含まれていると思うのだ。つまり幻視には或る種の示唆と啓示が含まれていて“幻覚的な形で真実を伝える”意味合いが備わっているような気がするのだ。ただ私の場合は能力不足からかもしれないが、そんなに先のことまでは解からず、経験的に云うと半年先くらいのことは“幻視(又は予感)”されることがある。それ以上先は、私の場合は解からない。もしかしたら、大体それくらい先までは大きな出来事である場合は“未来として出来上がりつつある”のかもしれない。そして“決定的な出来事”としては10日前後くらいから完了に入るのかもしれない。経験的にいえば、もはや変えようがない“決定事項”は、1日半くらい前であるような気がする。もちろん、これらは個人的な運命であって、9.11とか3.11とかの大多数を巻き込む歴史的出来事である場合は、何年も前から青写真が組み込まれている―と云うことは考えられる。仮にそうだったとしても、その出来事を避けることは“個人的には可能”なはずで、未来が描かれるキャンバスは“重ね塗り”をすることで、最終的な“未来の出来事”を変えてゆくことができ、我々が実際に体験する運命と行き着くことになるのだろう。


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